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「狂牛病に追い込む方向で誤訳」放送通信審議委、PD手帳に重い懲戒

「狂牛病に追い込む方向で誤訳」放送通信審議委、PD手帳に重い懲戒

Posted July. 18, 2008 08:07,   

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放送通信審議委員会(放通審議委)は16日の全体会議で、MBCの番組「PD手帳」の「緊急取材!米国産牛肉、狂牛病(BSE)から果たして安全なのか1、2」編(4月29日、5月13日放送)について、重懲戒である「視聴者への謝罪」の決定を下した。

「視聴者への謝罪」の決定は放送法に規定された重懲戒で、3年ごとに行われる放送会社の再許可の審査の際、4点減点の対象となる。放通審議委がMBCのPD手帳に対して下した「審議の決定文」は、「裁判所の判決文」と似たようなもので、今後、PD手帳を巡る裁判や検察の捜査にも大きな影響を及ぼすものと見られる。PD手帳への放通審議委の決定文についての主な内容を紹介する。

●英語のインタビュー誤訳で事実を誤認させたこと

放通審議委はPD手帳が英語インタビューの誤訳で、事実を誤認させたことは、放送審議規定第9条(公正性)の第3項や第14条(客観性)に反していると判断した。英語の誤訳はヒューメインソサエティの「ダウナー牛(へたり牛)」の動画とアレサ・ビンソン氏の死因と関連した場面に集中した。

放通審議委がPD手帳に対して、英語の誤訳の事例として指摘したのは、△乳牛(dairy cow)→このような牛、△かかっているかもしれない(could possibly have)→かかった、△疑っている(suspect)→かかったそうです、△CJDである可能性→vCJD(人間狂牛病)である可能性、△もし、彼女が病気にかかったならば(If she contracted)→どうして人間狂牛病にかかったのか分かりません、△動物への虐待の容疑がもたれている労働者らに聞いてみたところ→現場の責任者になぜ(狂牛病の疑いのある牛を無理やり立たせて屠殺するのかと)聞いてみたところ、の6つだった。

朴明珍(パク・ミョンジン)委員長は、MBCの意見陳述を聞く過程で、「PD手帳が翻訳の過ちを認めたとはいうものの、誤訳が非常に特殊だということに注目が集まる。誤訳は、米国牛は狂牛病の牛、ビンソン氏は狂牛病で死んだという方向で誤訳が行われた」とした上で、「誤訳が正されたら、果たしてどうなったのだろうか」と反問するなどした。

●不明な内容を事実として誤認させたこと

審議委員会はPD手帳の司会者を務めたソン・イルジュンプロデューサーが生放送の途中、「先の狂牛病にかかった牛…屠畜される前のその様子もショックであり…」と断定的に放送したのは、不明な内容を事実として誤解させるもので、審議規定第14条の「客観性」に反したものと判断した。

PD手帳が人間狂牛病の発病患者のプリオン遺伝子形を分析した根拠のみを持って、「韓国人の人間狂牛病の発病確率は94%だ」と触れたことも、確定的でない不明な内容を事実のように放送して、「客観性」の基準を違反したものと判断した。

●特定の見解を持った関係者のみをインタビュー

放送審議規定の第9条(公正性)第2項は、「放送は社会的な焦点や利害関係が鋭く対立する事柄を扱う時は、肯定性や均衡性を保たなければならないし、関係当事者の意見をバランスよく反映しなければならない」と規定している。

しかし、審議委員会はPD手帳が米国の屠畜システムや屠畜場の実態、カナダ産牛の輸入、飼料統制政策などを巡って、見解の異なる人物が存在しうるにも関わらず、米消費者連盟やヒューメインソサエティ関係者のインタビューのみを、一方的に放送したと判断した。また、政府側では交渉代表の一人のみを対象にインタビューを行った後、交渉に反対する各団体の代表や専門家などのインタビューを集中的に紹介し、米国産牛肉の年齢の測定を取り扱いながら、一方的な見解のみ放送したことなども、「公正性」審議条項に反していると決定した。

●誤報への遅れた訂正

PD手帳は15日の釈明放送で、△4つの英語の誤訳、△司会者が、「ダウナー牛」を「狂牛病の牛」と指した失言、△「韓国人が狂牛病にかかる確率は94%」といったのは、不正確な報道だったと、誤報を認めた。4月29日付けの最初の放送が流れた後、79日ぶりに行われた過ちへの訂正だった。審議委員会では、PD手帳が5月13日付の一部の誤報については釈明したものの、直ちに訂正放送を行わなかったことは、審議規定の第17条(誤報の訂正)に反していると判断した。

朴委員長は16日、MBCの製作チームに、「放送審議規定になぜ、「誤報は直ちに訂正しなければならない」という規定があるのだろう。報道の影響力は瞬く間に広まっているためだ」とした上で、「4月29日に放送を行い、2週間後一部について釈明し、2ヶ月以上経ってから過ちを訂正したことは、果たして迅速で滞りなく訂正したと言えるだろうか」と質した。



raphy@donga.com