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[オピニオン]生活型の女性運動

Posted March. 10, 2008 03:00,   

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1963年、「女性たちは中間層家庭という安楽な捕虜収容所に『女性の神秘』というイデオロギーで縛られている」というベティ・フリーダンの宣言は、米社会に大きな反響を呼び起こした。フリーダンは数百万部も売れた著書『女性の神秘』で、「幸せな良妻賢母」は存在せず、女性たちは夫や子育てから解放され、実質的な両性平等や自分だけのアイデンティティを求めるべきだと主張した。堕胎の権利や出産休暇、採用や昇進での両性平等を盛り込んだ同氏のメッセージは女性運動の起爆剤となった。

◆しかし、フリーダン類の闘争的フェミニズムは、男性には「去勢恐怖」を、女性には「階級的な憤り」を呼び起こし、アンチ・フェミニズムを招いた。その先導役も女性だった。エモリ大学の歴史学者のエリザベス・フォックスジェノビズ教授は、「フェミニズムのエリートたちは女性の真なる関心事を見失った」と主張した。作家のクリスティーナ・ホープ・ソマーズは、『誰がフェミニズムを盗んだのか』という著書で、急進的なフェミニストたちが「味方でなければ敵」流の「ジェンダー」改革を押し付けて、女性を裏切ったと批判した。

◆高い教育熱やフェミニズム運動のおかげで、韓国女性のプレゼンスやパワーも、ここ数十年間で急激に高まった。女性問題を専門的に担当する省庁が設けられ、戸主制も廃止された。世界で最も強力な売春予防法が実施されている。育児問題がネックとなっているものの、女性の社会進出は広がるいっぽうだ。国会議員の比例代表制の導入や幹部職の女性への割り当てで、政界や官界でも女性の声は日増しに高まっている。

◆これとともに、「男性は女性の敵」流の分裂的、闘争的なフェミニズムへの反省が持ち上がっている。男性を敵対視する運動は、結局男性の反発を招く。女性には、「仕事や家庭の両方で完璧でなければならない」というスーパーウーマン症候群を拡散させ、披露感を誘発する。「世界女性の日」100周年(8日)を迎えて、国内の女性界でも「権利の勝ち取り」に集中された女性運動を、共同体の回復に重点を置く生活型女性運動へと変えようとする動きが現れている。声だけ大きい一部の女性が、「恩恵」を享受する時代は過ぎ去りつつある。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com