Go to contents

33歳、放棄か砂漠を通り抜けるか

Posted March. 07, 2008 03:08,   

한국어

ソ・ユミ氏(33・写真)は、一気に文壇の期待の星として浮上した。昨年文学手帳作家賞と創批(チャンビ)長編小説賞を同時に受賞し、一躍スターとなった。

創批長編小説賞の受賞作である「クールに第一歩」(創批)が出版された。ソ氏と同い年の33歳の男女の物語だ。小説の中の登場人物たちは、キャリアを積まなければならない社会人ではなく、「一つを掴むためにもう一つを手放すことが、心理的ではなく現実的に難しい」人たちだ。6日、ソ氏に会い、小説の内容をもとに「30代として生きること」について話を聞いた。

33歳を目前にした別れには、33個分の躊躇いと不安が渦巻いている。3年ほど付き合った彼氏だったので、遅くとも32歳のクリスマスにはプロポーズされるべきだった。小説の中でヨンスは、その代わりに別れを宣言する。33歳を目前にして彼氏を振るなんて、正気ではないと思われるだろう。

「20代は物事がうまくいかなくなると親のため、学校のためといった具合に言い訳することができるが、30代はその手の言い訳はもはや通じない歳です。それって、条件に縛られずに自由に翼を広げることでもあるが、逆に怖い歳でもあります。現実と夢の間で最後に『迷っている』という…。結局、ヨンスは悩んだ末、夢に挑戦することを決めました(ヨンスは希望していた映画評論家になることに決め、公募の準備に取り掛かる)」

30歳くらいになれば、人生のすべてが安定軌道に乗るだろうと信じていた。

早くして良い条件の男性と結婚し、2人の子供を産み、分譲のマンションで暮らしているヨンジェ。まじめに大企業に勤め、誠実な人との結婚を選択したソンヨン。20代だったときの期待どおり、安定した人生を送っているようだ。はたして彼らはいま、幸せなのか。

「ヨンジェは苦手だった詩集を読みながら、寂しい思いもしているが、家庭を捨てることはできないんです。ソンヨンも『模範的な』選択をしますが、それは奔放な時代を経験したあとのことです。現実を選んだわけなんですが、30代に見合った姿でもあります。何一つ成し遂げたことがないので悔しい思いもするんですが、現実に自分を合わせることを学ぶことが、歳をとることなのだと気づくときですね」

33歳は風と波がじわじわと襲ってくるような嵐の真っ只中だ。

そのため、トンナムは再就職という波に乗ることにしたが、結果は絶望的だ。恋愛も就職もできず、親からは厄介者扱いされており、何一つ自慢できないこの男性は、まだ物心すらも付いていないのではないか。

「失敗した30代の典型でしょう。30代のトンナムの中にあるのは、20代だともいえましょうか。だらしない姿でもあるのですが、私はぜひこの手の姿を描いてみたかったのです。『死ぬことさえ難しく』、そのため、実に悲劇的な30代の姿というものをですね」

ソ氏は、小説家の夢を諦めようという思いがピークに達していた32歳の夏を過ぎた後に、その夢を叶えた。彼女は「これからの道のりは一層険しい砂漠だということをよくわかっています。砂漠を通り抜けられる武器が必要だと思いました」と語った上で、「あまりのどが渇かないようにしたり、疲れを知らずにすぐにでも歩ける体質に変えることが大切です」と付け加えた。よい作品という「武器」のみならず、創作の苦痛を耐える忍耐力を備える現実感覚。これぞ33歳なのだ。



kimjy@donga.com