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外交の重要性を示唆する大河小説「三韓志」

外交の重要性を示唆する大河小説「三韓志」

Posted February. 14, 2008 07:15,   

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「三韓の地、険しく厳しくとも/いずこよりか群れを率い蒼海を渡り/隣り合いて国を立て…歳月は空しきもの、またも千年が流れ/高句麗、百済、新羅はすでになきに/嘆かわしきかな、ちりぢりになりたる今日のすがたよ/崩れし王城のほとり、雑草茂る墓場には末えいの疑心暗鬼のみはびこり、もののふの眠りを妨ぐなり」

悲壮な叙事詩で始まるこの大河小説は、高校時代、退屈だった国史の時間の記憶を一気に打ち破る。

誰にも一度は「三国志演義」にはまった日々があるはずだ。「三韓志」は「三国志演義」の感動と面白さに匹敵する韓国の歴史小説だ。関羽と張飛の武勇談、諸葛孔明の知能と神秘など、魅力的な群雄割拠の古代史に憧れをいだかせるような小説が韓国にはない、と嘆くのはもうやめていい。

「三韓志」は、部族国家時代が幕を閉じ、中央集権体制を整えた三国が対立と競争の中で勢力を拡大していた6、7世紀の100年間の歴史をダイナミックに描いている。

高句麗の豪快でかっ達な魂、高度な文化を誇った軍事大国の百済、弱小国だったが積極的な外交政策で三国統一を実現した新羅、この三国の錯綜する競争の歴史が徹底した歴史考証の裏づけのもとで広げられる。「三韓」は、「三国史記」で使われた言葉で三国を指す。

この雄大な叙事詩は英雄を抜きにしては成り立たない。隋の100万の大軍を破った乙支文徳(ウルジムンドク)は飛びぬけたリーダーシップの持ち主として描かれている。淵蓋蘇文は神出鬼没のカリスマ武将として、百済の武王は知略と勇猛を兼備した君主として、金春秋は優れた外交感覚を持つ逸材として登場する。彼らの野望と執念、暗闘、権謀術数…。人間社会のありようをのぞき見る面白さも堪能できる。

著者は新羅が唐の協力を得て三国統一を成し遂げたことを、外国勢力を呼び込んだと非難する見方は正しくないと諭す。当時、三国はそれぞれが独立した国だった。民族や同族といった概念もなかった。新羅が三国を統一してから共同体意識、民族意識が芽生えたと著者はみている。「三韓志」はその過程を描いた文学作品だ。

何よりも「三韓志」は、今日の国家外交において示唆するところが大きい。「三韓志」の英雄たちはそれぞれ、他の二国との関係をどのようにもっていくか、中国の影響力をどのように活用し、また食い止めるかについて苦悩し、戦略を立てた。新羅は弱い軍事力を補うため三国のうち最も積極的に外交を展開し、その結果三国統一を実現した。新羅が「自力」にこだわり「孤立主義」を貫いたなら三国の統一は不可能だったろう。

外交は一国の生存と繁栄に直結する重要な国家戦略だ。平和と緊張、同盟と敵対を操るその外交戦略の手腕こそ、21世紀の指導者に求められる徳目だ。

韓昇洲(ハン・スンジュ)元外務部長官が「三韓志」を勧めるのもそのためだ。韓元長官は「三国が競争し、統一に向かう過程で指導者の外交能力がどのように発現したかが、小説ではあるが非常によく表れている」と述べた。



zeitung@donga.com