Go to contents

子どもの哲学教育

Posted May. 09, 2005 23:28,   

한국어

「過ちは公にして事故を防がなければなりません」(ウシク)

「会社側もそれなりの理由があると思うんだけど…。君は過ったことを隠したことはないの」(ジヒ)

4日、ソウル冠岳区奉天洞(クァンアクグ・ポンチョンドン)の子ども哲学教育研究所の教室。小学校3年生5人が熱っぽく討論をしている。

彼らは、「火事が起こる危険のある洗濯機の非公開リコール」という新聞記事を素材で、「過ちをありのまま公開することに対する問題」をめぐり討論をしていた。

授業は100分。子どもたちは多様な考えを言い合いながら熱っぽい討論をした。勿論、「正解」はない。しかし、子どもたちは自ら考えた正しい行動とそれによる結果まで見通しながら、「真実の義務はどこまでか」という哲学的問題に対し、「考える」練習をした。

子ども哲学研究所のイム・ビョンガプ開発室長は、「哲学はとてつもなく雄大でものではなく、普段思考を通じて常識を再発見し創意的な答を究明する教育課程だ。幼い頃から深く考える習慣を育ててあげれば、問題解決能力が身に付けられ、賢明に判断し、リーダーシップも発揮できる」と話した。

○哲学専門塾、首都圏にだけ20ヵ所余り

1990年度半ばから、父兄の間で人気を呼んだ子ども哲学教育が最近、創意力を強調する入試制度の影響で再び拡散し始めている。

学校で読書に対する深層指導を始め、ソウル大など主な大学入試で論述の比重が大きくなるという展望も、哲学教育ブームに一役している。

子ども哲学教育研究会であるチヘサラン(知恵愛という意味)のハン・ギホ代表は、「08学年度大学入試制度発表以後、哲学授業に対する関心が再び高くなった。昨年2学期より学生数が30〜40%増加した」と言った。

1990年代後半、2、3ヵ所に過ぎなかった哲学専門塾は最近、首都圏にだけ20ヵ所余りに増えた。ハンウリなど大型読書指導業者らも哲学教育過程を準備している。

子ども哲学教育研究所の朴ミンギュ所長は、「入試のため哲学教育に対する父兄の関心がうんと高くなった。子供哲学教育は、社会が要求する論理的批判的思考を取り揃えた人才を育てるのに適合した教育方法」と言った。

○カントとソクラテスを教えるんだと?

専門家たちは、幼い時から哲学的に考える訓練をすれば、論理的対話と討論能力、作文、思考力、リーダーシップを育て、正しい価値観形成にも役に立つと説明する。

小学校3年生の子どもに哲学教育をさせている金ナムソン(37・女・ソウル瑞草区瑞草洞)さんは、「以前は何かを聞いてみれば、『何となく』『知らない』と答えることが多かったけど、最近は、自分が自ら理由を捜してみようとして、『何故』『どうして』と聞いてくることが多くなった」と言った。

哲学授業は大半が同い年4〜8人が1チームを構成し、90〜120分間の討論でなされる。指導講師は対話の方向を取ってあげるだけで、子どもたちが自ら意見を分け答を見つけるようにする。哲学的思惟の根本的方法である対話法によることだ。

ハン・ギホ代表は、「小学生まで論述教育を受ける現象は大学入試制度の影響のためで、哲学と論述教育の目標には大きな差がない。論述教育は、問題に対する考察よりは答案をどのように書くかに焦点を合わせている反面、哲学教育は問題を扱う方法を教える」と言った。

ソン・テヨン建国(コングク)大学教授(哲学)は、「子ども哲学教育をカントやソクラテスを教えることと誤解してはいけない。哲学教育を通じて日常知りたかったことに対し、理を考えながら批判的で独創的に思考する姿勢を育てることができる」と言った。

○一部では講師の質を憂慮

哲学教育機関ホームページに設けられた「父兄がみた哲学教室」をみれば、「自分の考えを自ら言えるようになった子ども」に対する嬉しさを表わす父兄の文が多い。

フランスなど先進国は公教育で哲学教育をしているが、韓国は私教育に依存するのがほとんどどだ。週1回教育に1カ月の受講料は8万ウォン前後。

中高校では国語倫理教師や専門哲学教師が教えている。しかし、小学校は哲学科目に対する教師研修プログラムさえなく、100%私教育に依存するしかない。

また、哲学教育ブームが起こるにつれ、教育機関も雨後の竹の子のように増えており、そのため指導講師の質に対する憂慮も出ている。

専門家たちは哲学教育塾に通わなくても、親が子どもを対等な人格体で対しながら討論の基本素養を育ててあげることが重要だと助言する。

KP子ども哲学教育院の李ジンヒ院長は、「子ども哲学教育は子供たちの思考が断絶されないよう手伝ってあげることだ。普段、子どもが何を知りたがっているのかをよくみて、その知りたいことが一段階発展できるよう手伝ってあげるのが重要だ」と述べた。



leon@donga.com