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不審な判定で逃がした金メダル 体操男子個人総合決勝

不審な判定で逃がした金メダル 体操男子個人総合決勝

Posted August. 19, 2004 22:51,   

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19日、ギリシャ・アテネ・オリンピックインドアホールで行われた04アテネ五輪体操男子個人総合決勝戦。ポール・ハム(米国)の体が空へ飛び上がった。

跳馬で彼が試みた技術は「スカラ二周半(体を伸ばして後ろに回りながら二周半捻じり)」で9.9のもの。しかし、着地でバランスを崩したハムは尻餅をついて審判席まで倒れこんでしまった。

決定的なミス。前の3種目まで合計29.012でトップをマークしていたハムの顔が瞬間ハンマーで打たれたように固まった。「金メダルはもうだめ」という表情。ハムは試合後、この瞬間の心情を「銅メダルでも取ろうと思っていた」と話した。

すぐ点数が表示されなかった。審判陣が苦心しているのが明らかだった。しばらくしてから電光板に表示された点数はい9.137。同じ組で試合をしていたヤン・テヨン(慶北体育会)は、「8点台を予想したが、点数が高すぎた」と話した。

このミスで4種目を終えたとき、ハムは1位から12位へ墜落した。しかし、ハムは以後開かれた平行棒と鉄棒の2種目で連続して9.837を獲得して信じられない優勝を勝ち取った。米体操史上初の男子個人総合金メダル。

特に最後の鉄棒で金メダルを取るためには9.825以上をもらわなければならなかったハムは9.837を得て計57.823をマークし、韓国の金デウン(韓国体育大学、57.811)とヤン・テヨン(57.774)を引き離した。

ハムは、「鉄棒試合を終えた後(点数が出る前に)コーチに『お前がオリンピックチャンピオン』と言われて『とんでもない』と返事した」と話し、信じられないという顔をした。

跳馬でハムのミスは通常は1点減点の対象。足場を踏んで上がる時両足が広がって−0.1、着地不安で−0.2、ラインの外へ出たため−0.2、尻餅をついて−0.5だ。大韓体操協会の金ソンホ技術委員長は、「跳馬でのハムのミスはどんな場合であれ9.1以上はもらえない演技だ」と述べた。

金技術委員長の言葉通りなら、ハムは57.585点で金デウン、ヤン・テヨンに立ち遅れて、いくら大目に見ても57.786点で金メダルは金デウンのものにならなければならない。

個人総合4位を占めたルーマニアのイワン・シリビウ・スチウは同日、AP通信とのインタビューで、「米国選手が実際より高い評価を受けたとしか言うことがない」と不満を隠さなかった。

5番目の種目まで1位をキープしていたが最後の鉄棒でのミスで惜しくも金メダルを逃がしたヤン・テヨンは、「跳馬で私たちがそんなミスをしていたら、そんなに高い点数が出たとは思えない」とし、審判たちの偏った判定を批判した。実際、同日ハムは終始審判陣から甘い点数を受けたという評価。

体操は判定問題でしばしばトラブルが起きる種目。だからこそ金デウンが逃がした金メダルは極まりなく惜しい。

一方、韓国男子体操チームのユン・チャンソン監督は、「数人の審判がつけた点数なので、言いようがない。悔しいが判定に承服する」と話した。



金相洙 梁鍾久 ssoo@donga.com yjongk@donga.com