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妊娠中の母性愛で熱演5ヵ月 映画「パニック・ルーム」

妊娠中の母性愛で熱演5ヵ月 映画「パニック・ルーム」

Posted April. 05, 2002 09:24,   

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母親役を演じるのは「被告人」(1988)と「羊の沈黙」(1991)で二度も米アカデミー女優主演賞を受けたジョディ・フォスター(40)。「アンナと王様」以来3年ぶりにスクリーンにカムバックした彼女が3日午後、東京の帝国ホテルのインタビュー・ルームに入ってきた。二人目の子どもを生んでいながら、相変わらず聡明な女子大生の姿だった。

まず、自宅に「パニックルーム」があるか、と聞いてみた。

「ないですよ。だけどアメリカでは、実際、自宅にパニック・ルームを設置する傾向がありますね。犯罪者に入られたとき最初の30分だけでも持ちこたえられたら、生き残れる可能性は高いと言われてますから、結構使えるものなんでしょうね」。

「パニックルーム(Panic Room)」とは本来、中世時代の城の一番高い所に位置した眺めのよい部屋のことだった。それが、20世紀になってから、防空壕や隠れ場を意味する用語として使われるようになった。映画のなかのパニックルームは、分厚いコンクリートと4トンの鋼鉄で作られ、銃でも破壊できず、別途の電話線と換気システム、監視カメラを通して家の中のあちこちを見ることができるセキュリティーシステムが完備した安全空間だ。

ニューヨークの新しい家に引越して最初の夜を迎えた離婚女性メグ・アルトマン(Meg Altman、ジョディ・フォスター)とその娘サラ(クリスティン・ステュアート)。この家に3人の強盗が侵入すると、メグは娘とともにパニックルームに避難する。

ところが強盗たちの目的は、パニックルームに隠されている300万ドルの大金を盗むこと。ここから母と娘と強盗たちのエキサイティングなゲームが始まる。

「暴力に対してもうひとつの暴力で応じるなら、暴力は暴力を生むだけだ。だから暴力は予め防がなければなりません。映画のメッセージはそのような状況を予防すべきだということです。」時差ボケのせいか、何度もあくびしながらも答えは真剣そのものだった。

この映画で、人間たちは「パニックルーム」の中と外で対峙して望むものを手にするために精一杯の力を振り絞る。片方は命、片方は金。パニックルームを行き来する存在はカメラだけ。

この親子が強盗たちの脅しでパニックルームに閉じ込められる反面、強盗たちは金の欲に追われ法と社会から隔離されてパニックルームの外に閉じ込められている。恐怖は、肉体的危害の兆しを感じる時だけでなく、欲する対象を自分のものにできずにやきもきする時にも表れる。この恐怖が大きくなるにつれて、その恐怖に勝つために人間たちは次第に残忍で暴力的になる。

世界最強を自負していた米国人は、昨年9月11日の同時テロ以来、いつのまにか不安に震えるようになった。しかし彼らは恐怖に身を震わせながらも侵入者に勇気を持って立ち向かう「強い弱者」として認められることを望む。

娘を守るために強い母性愛を演じたジョディ・フォスターが、撮影当時、実際に2番目の子を妊娠した状態だったということが、ますますこの映画に対する米国人の共感を呼ぶのかもしれない。

「妊娠した体で5カ月半にわたる撮影をするのは大変でした。しかし妊娠は障害ではなく生活の一部です。十分に休息を取り、日程を調整しながら体の変化が映画に現れないように気をつけました。」

このため、彼女は撮影の合間合間に睡眠を取ることを要請し、大きくなる胸を隠すために一部のシーンではセーターをまとった。

ジョディはハリウッドの才媛らしく、1991年「リトルマン・テイト」で監督としてもデビューしていて、今は女優であり演出、監督、制作まで手がけている。

「パニックルーム」は8月に韓国国内で封切りされる。



khc@donga.com