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北朝鮮が体制安全を要求…韓国の安保が駆け引きの対象になってはならない

北朝鮮が体制安全を要求…韓国の安保が駆け引きの対象になってはならない

Posted April. 29, 2019 08:32,   

Updated April. 29, 2019 08:32

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4・27板門店(パンムンジョム)宣言1周年記念式を拒否した北朝鮮は、韓米合同軍事演習を強く非難した。朝鮮中央通信は、韓米の「同盟19-1」演習を取り上げ、「南北、朝米首脳の対面で成した合意に対する乱暴な違反」と主張した。これに先立ち、祖国平和統一委員会は、「今後、南北関係が元に戻れない危険に陥る恐れがある」とも指摘した。ハノイでの米朝首脳会談が制裁解除問題で物別れに終わった後、北朝鮮は対外戦略の焦点を軍事問題に移している。

北朝鮮は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が最高人民会議で、「制裁解除問題にもはやこだわらない」と明らかにして以降、制裁解除を要求せず、その代わりに合同軍事演習など軍事的問題を強調し、体制安全問題を本格的に取り上げている。その開始は、ロ朝首脳会談でロシアのプーチン大統領の口を通じて出た。プーチン氏は、「韓半島の非核化のためには、北朝鮮に対する体制の安全が保証なされなければならない」とし、国際的な安全保証に向けた6者協議まで提起した。

北朝鮮が今後、体制安全の保証要求をどのように具体化するかは見守らなければならないが、北朝鮮がこの問題を本格的に掲げれば、非核化交渉はさらに難しくなるだろう。韓米合同軍事演習と在韓米軍の駐留、戦略兵器の展開禁止まで要求し、今後の交渉を相互軍縮と非核地帯化交渉に引っ張っていこうとするためだ。北朝鮮はこれまで水面下でも、「グアムやハワイなどの米国の戦略兵器もなくさなければならない」と主張したという。

懸念される点は、このような要求が韓国の安保と直結したサインであるにもかかわらず、米朝間、さらには周辺国の利害まで絡み合った駆け引きの具に転落しかねないということだ。むろん、北朝鮮の要求に米国がたやすく応じないだろう。しかし、トランプ米大統領は在韓米軍や合同軍事演習を金銭問題と見るため、このような問題を米朝取引の対象と見る可能性も完全に排除できない。特に、北朝鮮は韓米間の亀裂に食い込むだろう。韓国政府は、北朝鮮が無駄な要求ができないよう北朝鮮問題をめぐる韓米間の協力体制から急いで構築しなければならない。