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SFが現実に…人工脳が「意識」を持つようになると?

SFが現実に…人工脳が「意識」を持つようになると?

Posted April. 26, 2019 08:32,   

Updated April. 26, 2019 09:32

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「幹細胞を利用して、数百万個の脳細胞で構成されたミニ脳を作った。この脳が光などの刺激に反応したり、『意識』を持つようになればどうだろうか。治療目的のために患者から脳全体や一部の組織を体外に切り離せば、この脳組織の所有権は誰にあるのだろうか。脳を他の動物に移植して成熟させると、この存在は人間か動物か」

昨年4月、国際学術誌「ネイチャー」に米国の生命科学者や法学者17人が発表した声明の内容の一部だ。当時、学者たちは、「人間の脳複製がますます現実に近づいている状況の中、回答が困難な問題が出ると予想される」とし、今後直面する状況を提示した。この中には、「もし、損傷した脳機能を回復させることができれば、1960年代以降、事実上死の基準となった『脳死』は果たして意味があるだろうか」という質問もある。死の定義自体が変わる可能性があるという問いだ。

当時は仮定だったが、この質問は現実になった。今月18日、米エール大学医学部の研究チームは、死んでから4時間が経った豚32頭から脳を分離後、特殊溶液を循環させて、6時間も脳組織を生かせることに成功したと紹介した。

脳は正常形体を維持し、脳の免疫細胞が機能し、脳細胞と脳細胞をつなぐ接合部であるシナプスで神経信号も発生した。しかし、研究チームは、「脳細胞の一部が活性化されただけで、脳自体の機能が蘇ったわけではなく、意識のような高次元の脳活動はなかった」と過度な意味づけを警戒した。

脳の研究が増えたことで、倫理的判断が必要な事例も徐々に増えている。今月25日、米国の研究チームが、脳の中に測定機器を埋め込んで発声に関する神経信号を読んだ後、言葉(音声)を合成する実験に成功した。言語障害の患者に役立つだろうという期待もあるが、他人の心をこっそり読み取る「読心術」技術に悪用される可能性もあるというのが、一部の科学者たちの懸念だ。

すぐに今回の豚の実験も倫理的争点を残した。脳細胞の「復活」が脳復活につながり、死の境界がぼやける可能性、これによる死の判定基準の変更により、臓器提供と移植が萎縮する恐れなど、かつては想像できなかったテーマを提起した。ネイチャーは18日、研究結果と同時に、脳倫理学者たちのコメントを掲載し、22日も質疑応答の形式で議論を照明して、この分野の議論をリードしている。

このような問題を解決しようと、米国は2002年から、韓国は2017年から、脳神経倫理研究会が設けられて主要問題について一つ一つ議論している。リュ・ヨンジュン江原(カンウォン)大学医学部教授は、「既存の倫理フレームでは説明できない事例が増えている」とし、「脳オーガノイド(ミニ人工臓器)、脳映像を通じて心を読むこと、四肢麻痺患者を歩かせる技術、頭の移植など重要な倫理的争点を扱っている」と語った。

神経倫理学者たちは、脳分野の争点が互いに密接に関連しただけに、長い目で幅広く扱うべきだと主張する。リュ教授は、「体をほしがるようになった人工知能(AI)の登場や人工子宮を通じた出産、人間複製、記憶保存、身体代替などはすべて複雑に絡み合っている」とし、「これを考慮した技術開発に伴う倫理的議論が一緒に行われるべきだ」と語った。


ユン・シンヨン東亜サイエンス記者 ashilla@donga.com