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米朝談判の前に「南北経済協力の負担を引き受ける」と言う文大統領、国民の共感は得たのか

米朝談判の前に「南北経済協力の負担を引き受ける」と言う文大統領、国民の共感は得たのか

Posted February. 21, 2019 08:22,   

Updated February. 21, 2019 08:22

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が19日、トランプ米大統領との電話会談で、「北朝鮮の非核化措置を牽引するための相応の措置として、南北鉄道・道路の連結から経済協力事業までの役割を引き受ける覚悟ができている」と明らかにした。米朝のハノイ首脳会談を控え、非核化措置に対する見返りとして北朝鮮に対する経済支援を自任し、南北経済協力事業に対する国際社会の制裁免除を要請したのだ。トランプ氏は、「おそらく会談のすべてについて議論するすばらしい会談だった」とだけ明らかにした。

文大統領の発言は直ちに国内・国外で論議を呼ぶことは明らかだ。北朝鮮に対する制裁は、北朝鮮を非核化協議に出ざるを得ないようにさせた圧力手段だが、韓国政府が制裁戦線を崩そうとしていることに相違ないためだ。さらに、過去の北朝鮮への経済支援に対する否定的な見解が依然としてある状況で、国民の共感もなく莫大な負担を引き受けると発言したことに、果たして国民が納得するか疑問だ。国会予算政策処が予想した経済協力の費用は115兆ウォンにのぼる。

米朝合意文の調整に向けた本格的な実務協議の前に北朝鮮に対する交渉カードを公開したことも理解できない。文大統領の発言は、トランプ氏との電話会談で出たが、事実上、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に送るメッセージだろう。いまだに躊躇する北朝鮮に向かって、金剛山(クムガンサン)観光・開城(ケソン)工業団地を再開するので大胆な非核化に出てほしいという注文かもしれないが、如何せん米朝合意を引き出すためにどれだけ焦っているのか、こちらの内心を晒す格好になった。

むろん、文大統領がこのような論議を甘受して発言したのには別の事情もあるのだろう。特に、トランプ氏が連日、「急がない」と期待値を下げるのは、「ビッグディール」に向けた交渉が壁にぶつかったという信号と見られる。このような状況で、韓国が「間接保証」に出て、行き詰った交渉の突破口を開くのに一助になるという意図かもしれない。会談後の正恩氏のソウル答礼訪問を成功させるために、どうせ渡すプレゼントなら、米朝交渉に結びつけてカードとして出そうとしたのかもしれない。

実際、これまで政府の動きを見ると、経済協力の再開は時間の問題で、予告されたことだったと見ることもできる。しかし、今の姿は手を当てずに鼻をかもうとする米国に対して韓国がすべての荷物を抱え込むということに映るだけだ。将来、北朝鮮に対する経済支援がなされるとしても、その負担は米国、中国、日本など周辺国が分担しなければならない。それでこそ非核化と経済支援の好循環の構造も可能だ。その速度と方式も非核化の進展に合わせた等価的な措置でなければならず、北朝鮮が立ち止まったり後退したりすれば、いつでも中断し、元に戻らなければならない。ただ与えるだけということがあってはならない。