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朴恒緒マジックで沸くベトナム、世界的名将を超えたリーダーシップに注目

朴恒緒マジックで沸くベトナム、世界的名将を超えたリーダーシップに注目

Posted December. 08, 2018 07:34,   

Updated December. 08, 2018 07:34

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「サンキュー、パクハンセオ(ありがとう、朴恒緒監督)」

6日の夜、ベトナム全国は「朴恒緒(パク・ハンソ)マジック」で沸いた。この日、朴恒緒監督率いるサッカー・ベトナム代表がベトナム・ハノイのミディン競技場で行われたASEANサッカー連盟(AFF)のスズキカップ準決勝第2戦でフィリピンを2-1で破り、10年ぶりに同大会決勝に進出したからだ。ベトナムは2戦合計4-2で2008年(初優勝)以来となる決勝進出を果たし、マレーシアと優勝を争うことになった。

ベトナムは、東南アジア最高権威のサッカー大会に挙げられるスズキカップ大会期間は、いつもサッカーで盛り上がる。タイトともに東南アジアのサッカー強国としてのプライドがあるため、ベトナムでは優勝可能性があるスズキカップがワールドカップより人気が高い。そういう舞台で久々に決勝に進出したのだから、頂上奪還を望むベトナムの雰囲気は、いつにも増して熱い。

ベトナムの大手ニュースサイト「VNエキスプレス」は、「ベトナム全国で数百万人が街に繰り出して勝利を祝福した。ベトナム国旗と太極旗(テグッキ)が入り混じった感激の夜だった」と報じた。

この日、朴監督が破ったフィリピンは、かつてイングランド代表やイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティの監督を経験した名将、スヴェン・ゴラン・エリクソン監督が采配するチームだ。朴監督は勝利後に、「フィリピンに勝ったが、正直、私が彼のレベルに到達したとは思わない」と謙遜した。だが、名将を超えた実績が追加されたことで、朴監督のリーダーシップは改めて注目を集めている。

2017年にベトナム代表監督に就任するまで、朴監督はKリーグなど韓国リーグで監督を務めたものの目立って頭角を現したことはない。今年、ベトナムで朴監督が童話のような物語を書き続けている原動力は何なのか。

「『温かいパパ』リーダーシップは広く知られていることだが、実際朴監督が最も能力を発揮しているのは、明確に役割を決めてあげることなんです」

7日、朴監督と契約しているマネジメント会社「ディジェイ・マネジメント」のイ・ドンジュン代表は、こうコメントした。朴監督を影でサポートしているイ氏によると、朴監督はやってはいけないこととそうでないことなど規律を明確にして、選手たちに守らせているという。食事中に椅子を音を出しながら引きずる行為も、他の選手たちに不快感を与えるとして見過ごさない。

チーム内で葛藤の要因になりそうなことは事前に遮断して、チーム内の信頼を高めたことが朴監督の指導力の核心だと言う。もちろん、ベトナム選手たちが朴監督の指導方式とうまく相性が合ったのは、運も味方したところがある。

イ氏は、「朴監督によると、言う通りに従ったら良い結果が出ると、ますます朴監督を全幅的に信頼して従うようになったとそうだ」と伝えた。今年1月にアジアサッカー連盟(AFC)の23歳以下(U-23)選手権の時から朴監督とともにしている15人の若手選手が、今回のスズキカップの代表メンバー(23人)にも含まれたし、後から合流した選手たちは、彼らを見て同じように朴監督の指示に素直に従っているのだと言う。

スズキカップ優勝。昨年末、朴監督がベトナム代表監督に就任する際、ベトナム・サッカー協会が注文した至上課題だ。今年のAFCU-23選手権の準優勝とジャカルタ・パレンバン・アジア大会の4強進出(8月)など数々の神話を作ってきた朴監督がクリアしなければならない最後のパズルでもある。朴監督は、「ベトナムが10年ぶりにスズキカップ決勝に進出したのは、代表チームと選手たちを応援してくれたファンへのご褒美だ」と言い、「(マレーシアを)徹底的に分析して試合に集中したい」と決意を語った。

ベトナムは11日、適地でマレーシアと決勝第1戦を行い、15日にはホームで第2戦を戦う。ベトナムは、今大会の予選でマレーシアを2-0で破った経験がある。


金在亨 monami@donga.com