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トルコショック、アジアと世界の金融危機につながるか

トルコショック、アジアと世界の金融危機につながるか

Posted August. 18, 2018 07:13,   

Updated August. 18, 2018 07:13

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トルコの「リラショック」で国内総合株価指数(コスピ)を含め、世界主要国の証券市場が乱高下している。インドのルピーとアルゼンチンのペソなど、新興国の通貨安が相次ぎ、トルコ発金融危機が全世界に広がっているのではないかという懸念も出ている。1997年の通貨危機、2008年の世界的な金融危機で深刻な景気後退を経験した韓国としては、今回の事態の進行方向に神経を尖らせざるを得ない。最近になって韓国が高齢化、所得主導成長政策による副作用などで国内外で成長の潜在力が低下しているという評価を受けていることも懸念を膨らませている。

しかし、今回の事態が米国とトルコ政府間の政治的摩擦によって発生したことを考慮すれば、過去の経済危機とは性格が異なるという分析も多い。韓国は過去と違って、経常収支の黒字基調が定着しているので、容易に経済危機に流されないという見方も少なくない。

●典型的な新興国の経済危機

ノーベル経済学賞受賞者である米ニューヨーク市立大学のポール・クルーグマン教授は最近、自分のツイッターに、「トルコ事態は莫大な外貨負債に頼って膨らんだバブルがはじけたのだ」とし、「1998年のアジア通貨危機と似ている」と診断した。

彼の分析のように、トルコ事態は1990年代半ば以降に発生した新興国の金融危機と同様の軌跡を示している。経済ファンダメンタルが弱い新興国が外貨負債で経済を運営して危機に直面すれば、外貨資金は流れ出し、通貨安が進む。以後再び外貨負債が急増し、支払い不能事態に陥ることになる。1998年にアジア通貨危機を経験したインドネシアやタイがこのような経路を踏んだ。当時インドネシアは外貨負債比率が通貨危機直前だった1997年の65%から通貨危機が発生した1998年は168%まで高騰した。タイも同期間55%から96%に高まった。トルコの外貨負債は、現在4600億ドルで、国内総生産(GDP)の55%水準。しかし、リラの急落で日々その割合が雪だるまのように膨らんでいる。

●世界的な金融危機に見舞われる可能性は低い

大半の経済専門家たちは、トルコ事態がグローバル経済危機につながる可能性は低いと見ている。トルコの経済規模を考えると、世界経済に与える影響は大きくないという分析だ。新韓(シンハン)金融投資のハ・ゴンヒョン研究員は、「2008年に米国に端を発したグローバル金融危機を除いて、2000年以降、新興国で起きた金融危機はすべて局地的な水準にとどまった」とし、「新興国景気が回復局面から上昇局面に進入したという点も考慮しなければならない」と語った。ハ研究員は、「ただ米中貿易紛争でドル高が続けば、新興国に金融危機が転移する可能性は排除できない」と付け加えた。

トルコ事態が米国とトルコの間の政治的対立による報復関税賦課によって浮上しただけに、「政治的妥結」で終わる可能性も考えられている。米政府は、ロシア南下政策を牽制するトルコの地政学的重要性を無視することが困難だからである。

さらに、カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー 国王が15日(現地時間)、トルコのアンカラでトルコのエルドアン大統領と会談を行った後、トルコに150億ドルの投資を約束するなど、中東諸国がトルコを支援しようとする動きを見せていることも、米国には圧迫要因である。中東地域で、米国の影響力減少を憂慮した米国内の反発世論が形成される可能性があるからだ。


宋眞洽 jinhup@donga.com