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イタリア政府、「ワクチン接種義務化法案廃止」実行へ

イタリア政府、「ワクチン接種義務化法案廃止」実行へ

Posted August. 14, 2018 08:36,   

Updated August. 14, 2018 08:36

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「反ワクチン主義者は、地域社会に危険な要素だ。私はあなたたちの殺人法を望まず、あなたたちへの金も必要ない」

6日、イタリア北部の小都市キアヴァリにあるジェラート店にこのような貼り紙があった。店主のマティオス・スピノラさんは、イタリア紙ラ・レプリカに、「私には子どもがいないが、子どもがいる多くの友人が抱える心配に共感した」とし、「法案が通過されたのを見て、これ以上黙っていることはできないと思った」と話した。

極左「五つ星運動」と極右「同盟」の連立政権で6月にスタートしたイタリア政府が、選挙公約で掲げた「ワクチン接種義務化法案の廃止」を実行に移している。同法案は、はしか、おたふく風邪、水痘など10種類の病気に対する予防接種を法で義務づけたもので、昨年のはしかの大量発病事態の後、先の政府が立法した法だ。しかし上院は3日、幼稚園入園前の子どもが10種類の予防接種を終えたという書類提出の義務づけを1年間猶予するという内容の法案を通過させた。米ネットメディアのエクシオスは12日、イタリアの反ワクチン基調が全世界に拡大しないか専門家たちが懸念を示していると伝えた。

ワクチン論争の開始は20年前に遡る。1998年、英国の医師、アンドリュー・ウェイクフィールド氏が書いた「はしか予防注射が子どもの自閉症を引き起こす」という内容の論文が学術誌に公開されてからだ。後にこの論文は虚偽であると明らかになり、ウェイクフィールド氏の医師の資格も剥奪された。しかし、反ワクチン主義者はこの論文を引用して、「すべての予防注射は信じられない」といった主張を展開している。

特に、トルコとオーストラリアでワクチン陰謀説が広まり、政府が頭を抱えている。

ワクチンに豚の血が入っているといった陰謀説が拡散し、昨年、トルコ国内でのワクチン接種の拒否が2万3千世帯を記録した。これは一昨年の1万1千世帯に比べて2倍以上の増加だ。トルコ保健省がワクチン関連の事実を提供するファクトチェックサイトを開設したと、トルコ日刊紙ヒュッリイェトが9日付で伝えた。

オーストラリアは先月、子どもに適時に予防接種をしなかった親に対して税控除の恩恵を減らす案を導入した。国内でも昨年、自然主義育児方式を主張してワクチン接種を拒否したネットカフェ「アンアキ(薬を使わずに子ども育てる)」が社会的論議を起こした。

一部では、幼い子どもが一度に多くのワクチンを接種したことで免疫体系がかえって負担を感じていると主張する。しかし、最近「ワクチン接種を受けた子どもが、そうでない子どもより接種に関連のない病気にかかる確率が低い」という研究結果が発表されるなど、真偽は確かでない。


ウィ・ウンジ記者 wizi@donga.com