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中国の自動車バッテリー市場を攻略…LG化学が2兆ウォンのプロジェクト始動

中国の自動車バッテリー市場を攻略…LG化学が2兆ウォンのプロジェクト始動

Posted July. 19, 2018 08:17,   

Updated July. 19, 2018 08:17

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LG化学が中国南京に「高性能純粋電気自動車」(1回の充電で320キロを走行する電気自動車)53万台分のバッテリーを生産できる第2のバッテリー工場を建設する。10月から工事に取り掛かり、来年10月に商業生産に突入する。2023年までに計2兆ウォンを投資して、年間32GWhの生産能力を備える計画だ。

現在、LG化学の「南京第1工場」など、韓国内外の4つの工場が保有している電気自動車のバッテリー生産能力が18GWhであることを勘案すれば、画期的な投資といえる。LG化学の今回の投資は、今後電気自動車のバッテリー供給量が大幅に増えるうえ、中国政府の電気自動車への補助金政策が2020年から廃止されることに合わせて、生産能力を拡大するための布石だ。

18日、中国の現地外信などによると、LG化学の金鐘現(キム・ジョンヒョン)バッテリー事業本部長(副社長)は17日、中国江蘇省南京市を訪問して、江蘇省党委員長などと調印式を行い、浜江開発区に電気自動車のバッテリー2工場を設立する調印式を行った。今回の工場増設の決定は、LG化学が受注したグローバル自動車メーカーの電気自動車のバッテリー量を適時に供給するための目的が最も大きい。LG化学は、昨年末基準で42兆ウォン規模の電気自動車のバッテリー契約を交わしており、毎年顧客と契約した物量を滞りなく生産しなければならない。LG化学は、フォルクスワーゲン、米ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード、現代・起亜(ヒョンデ・キア)自動車、インドのマヒンドラ・グループなどとバッテリーの供給契約を交わしている。

LG化学の朴鎭洙(パク・ジンス)副会長は、2020年までに4つの工場で、年間70GWhの生産能力を備えたいという目標を明らかにした。LG化学の関係者は、「グローバル自動車メーカー各社が2020年を機に、電気自動車の生産量を大幅に増やすという計画を発表したことを受け、自社もこれに合わせて電気自動車のバッテリー生産量が大幅に増えるものと見られる」とし、「これに備えるために、中国南京工場だけでなく、4つの工場の生産能力を増やしていかなければならない」と説明した。

中国政府が自国のバッテリー製造企業を保護するために支給してきた補助金政策が、2020年までに廃止されることも、LG化学にとっては機会といえる。中国内電気自動車の販売価格で補助金が占める割合が半分であるため、韓国バッテリーメーカー各社は、最初から競争相手になれなかった。しかし、2020年以降は、LG化学などの韓国メーカーも同等の条件で中国企業と競合する道が開かれたのである。

LG化学の関係者は、「これまで中国自動車メーカーから受注した電気自動車のバッテリー物量はないが、2020年に補助金が解除される時に備えて、中国企業と議論を続けている」と説明した。LG化学をはじめとする国内企業が生産しているNCM(ニッケル、コバルト、マンガン)バッテリーは、中国企業が生産しているLFP(リチウム、リン酸、鉄)よりエネルギー密度が2倍以上も高く、今後3~5年は競争力の優位を占めることができると業界では見込んでいる。

一方、中国は、LG化学の電気自動車のバッテリー生産において物流拠点でもある。LG化学は今年4月、世界精錬コバルト生産量首位企業である中国の「華友コバルト」とバッテリーの前駆体と陽極材生産合弁会社(JV)をそれぞれ設立する契約を交わした。

中国南京工場は、電気自動車のバッテリーを生産するのに欠かせない原材料であるコバルトを、中国内JVから速やかに供給を受けることができる。南京工場では、スマートフォン、タブレットなどに入る小型バッテリーも一緒に生産するが、該当製品群の場合、中国顧客が多い。


金哉希 jetti@donga.com