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激化する貿易戦争、中国の「火消し役」王岐山氏の影が薄い

激化する貿易戦争、中国の「火消し役」王岐山氏の影が薄い

Posted July. 11, 2018 09:21,   

Updated July. 11, 2018 09:21

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米中貿易摩擦の解決役として期待されていた中国の王岐山副主席だが、貿易戦争に火が付いているのに主だった動きが見られないため、その背景に注目が集まる。

王副主席が米国に出向き交渉に当たるだろうという見通しもあるものの、中国の複数の消息筋によると10日、「現在のところ、王副主席が米国入りする可能性は低い。米中通商交渉と関連して劉鶴副首相が中国側の代表を勤めているので王副主席が動く理由は少ない。」と語った。

今年3月、全国人民代表大会(国会に当たる)を通して華麗なる復帰を果たした王副主席は、外交・経済分野の米中摩擦を調整する「火消し役」としての役割を期待されていた。それだけに貿易戦争局面でも表舞台に出ないのはよほどのことがあるのでは、という分析だ。王副主席は2009~2012年、副首相を務める際、米中戦略経済対話を主導するなど米国との交渉経験が豊富であり、米国の人的ネットワークもかなり手広いものと伝えられる。王氏は副主席に指名される前、テリー・ブランスタッド駐中国米大使やスティーブ・バノン前首席戦略官ら核心人物と相次いで会談していた。指名後も複数の米企業の幹部と秘密裏に懇談しているものと伝えられた。

しかし、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の中国語放送で表現されたように、米中貿易戦争の火蓋が切られる一触即発の状況でも王副主席の姿は見えなかった。ロイター通信は8日、「火消し役の副主席、米国の貿易戦争の炎を避ける」という見出しの記事で、西側の高位外交筋によると「中国は貿易戦争への王副主席の関与を望んでいない様子」と伝えた。

5月ワシントンで行われた第2次米中貿易交渉には劉副首相が参加し、両国は互いに関税を課さないことで合意した。当時、劉副首相はインタビューに答え「米中は貿易戦争をしない」と自信を見せたものの、わずか10日後、米ホワイトハウスは中国に対する追加関税を発表した。

そのため劉副首相は大変困った立場に追いやられた。劉福首相も習近平国家主席の側近で通じるが、王副主席は習主席の右腕とされる側近中の側近だ。王副主席が対米交渉に関与し、劉副首相の二の舞を演じることになった場合、非難の矛先が習主席に向けられることを恐れ中国当局は王副主席の関与をためらっているという。ある外交消息筋は「いつか米中が交渉のテーブルに付く日は来るだろうが今回の通商戦争は長期戦になる可能性が高い」とし、「貿易戦争のあおりを受け、中国経済成長は鈍化し経済も落ち込み国民生活に影響したら中国当局は悩ましい状況に瀕するだろう」と語った。


尹完準 zeitung@donga.com