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李洛淵首相「北朝鮮の長射程砲の後方移転を議論中」

李洛淵首相「北朝鮮の長射程砲の後方移転を議論中」

Posted June. 26, 2018 08:45,   

Updated June. 26, 2018 08:45

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李洛淵(イ・ナクヨン)首相が25日、第68回韓国戦争記念式で、「北朝鮮の長射程砲の後方移転が議論されている」と明らかにした。李氏の発言は、「14日の南北軍事会談で、北朝鮮の長射程砲後方移転は議論されていない」という政府のこれまでの説明とは異なる。実際に韓米合同軍事演習の中止などと相まって、長射程砲後方移転が議論された可能性に力を与えている。

李氏は同日、ソウル蚕室(チャムシル)室内体育館で開かれた韓国戦争記念演説で、南北平和ムードを説明し、「米兵の遺骨引き渡しの手続きが進んでおり、休戦ライン非武装地帯で南北相互の中傷が中止され、拡声器も撤去された。また、長射程砲の後方移転が議論されている」と述べた。そして、「韓米両国は合同軍事演習の中止を決め、韓国、北朝鮮から100人ずつ、離散家族が8月下旬に金剛山(クムガンサン)で再会する」と強調した。

 

北朝鮮の長射程砲後方移転については、国防部が最近、否定している。一部のメディアは、軍当局が14日の南北将官級会談で、北朝鮮の長射程砲を軍事境界線(MDL)から30~40キロ後方に撤収することを北朝鮮側に提示したと報じた。これに対して国防部は17日、2度も公式立場を発表し、報道内容を否定した。

長射程砲はいわゆる「ソウル火の海」脅迫の根拠として活用されるなど、韓米連合軍を脅かして北朝鮮体制を守る北朝鮮版「戦略資産」だ。南北関係改善の過程で北朝鮮が長射程砲の後方移転を提案し、在韓米軍の火力旅団など韓米戦力の縮小や移転を要求できるという観測が流れたりもした。軍事的に非常に尖鋭な事案であり、中途半端に取り上げては軍事会談そのものがなくなる恐れがあるため、直ちに扱うことは難しいというのが軍内外の意見だ。南北軍当局間の信頼が十分に構築された後に議論する事案ということだ。

国防部は、首相記念演説の内容が伝えられた25日午後にも、これまでの立場を再度強調した。李氏の発言と国防部のこれまでの立場が対峙しているという指摘に軍関係者は、「会談で長射程砲が言及や議論がされていないだけでなく、長射程砲を示唆する迂迴的な発言も出なかった」と強調した。また別の軍関係者は、「李氏が、今後実行を望む韓半島の軍事的緊張緩和の一つである長射程砲後方移転問題を現在形で誤って表現したのではないか」と述べた。

論議が広がると、首相室も同日午後、「長射程砲後方移転問題は今後の南北軍事会談で議論される課題の一つであり、内部で検討したが、南北将官級会談ではまだ公式に議論されていない」と明らかにした。しかし、首相室関係者は、「大統領府と首相室、そして国防部まで長射程砲問題を議題化しなければならないという共感があることだけは明らか」と述べた。


ユ・グンヒョン記者 ソン・ヒョジュ記者 hjson@donga.comnoel@donga.com