「これほどまでに最悪のプレーをするアルゼンチンの試合は見たことがない」
リオネル・メッシのアルゼンチンが0-3の衝撃的な敗北を喫し、ワールドカップ(W杯)グループリーグ突破が危ぶまれている。メッシの競技力も最悪だった。
アルゼンチンは22日(韓国時間)に行われたW杯D組のクロアチア戦で完敗した。2試合で1分け1敗を記録して同組3位となり、グループリーグ敗退の危機に瀕している。ブラジルW杯で準優勝したアルゼンチンだが、グループリーグ最終戦でナイジェリアに勝った上で、2位を争うアイスランドの試合結果を待たなければならない立場になった。
メッシの活躍はなかった。この日、メッシはまたも沈黙した。名誉回復を図って序盤からクロアチア陣営を崩そうとしたが、クロアチアに封じ込められ決定機をつかめなかった。後半に入って、最初で最後のシュートを放ったものの、これさえも守備に阻まれた。前半12分にはゴール前でボールに足を伸ばしたが、足が短くてボールに当たらない屈辱まで味わった。アイスランド戦で攻撃だけでなくプレーメーカーの役割まで務めたメッシは、計133回のパスを交換しながらチームに貢献しようとした。しかし、クロアチア戦では、その半分にも及ばない56回のパスを記録するに止まった。メッシは攻撃力とパスプレーともに全く存在感がなかった。
さらに酷いのはチームとしてのアルゼンチンだ。メッシだけに頼るプレーを展開し、他の選手たちは、これと言った動きを見せることがなかった。セルヒオ・アグエロやハビエル・マスチェラーノなど世界的なプレイヤーを擁しながらも、彼らの間の連携プレーはなかった。「玉磨かざれば光無し」と言う。マスチェラーノのパス回数は初戦では248回だったがクロアチア戦では101回に、アグエロは68回から13回に減った。
アルゼンチンは、アイスランド戦で相手が二重三重の壁を作って臨んだのに、サイドからのパスを生かさずメッシ頼みの中央突破だけにこだわり、もどかしい戦い方に終始した。スピードとプレスが消えたアルゼンチンは守備に力を入れたアイスランドに比べて、より組織的で攻撃的にプレスをかけてくるクロアリアに全てのプレーが阻まれた。アルゼンチンはメッシ頼みの戦い方に一貫し、戦略の不在、遅い攻撃の展開、闘志の失踪などが複雑に働いて完敗した。
クロアチアは後半8分、アンテ・レビッチがアルゼンチンGKのミスを逃さず先制点を決めては、後半35分(ルカ・モドリッチ)とロスタイム(イバン・ラキティッチ)に相次いで止めを刺す追加点を挙げ、アルゼンチンを撃沈させた。アルゼンチンがグループリーグで3点差以上で敗北したのは1958年スウェーデンW杯のチェコスロバキア戦(1-6の敗北)以来で60年ぶりだ。
クリスティアーノ・ロナウドと世紀の競争を繰り広げているメッシにとって、ロシアW杯は苦しい大会にあり続けている。
金培中 wanted@donga.com