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廃プラスチックが環境に配慮した道路包装用石に生まれ変わる

廃プラスチックが環境に配慮した道路包装用石に生まれ変わる

Posted June. 16, 2018 09:09,   

Updated June. 16, 2018 09:09

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「軽いうえ変形もしやすく、防水性もあります。簡単に腐食せず、電気まで通しません。建築材料として理想的な特性を持っているのに、なぜプラスチックは正しく評価されないのでしょうか?」

2016年、テレビを見ていたモロッコの20歳の青年、サイフ・エディン・ラアレズ氏は、この言葉を聞いた瞬間、頭の中にひらめくものがあった。使い捨てのビニール袋の問題を解決するために、モロッコ政府が発表した「ゼロミカ(Zero Mika)」事業の開始を控えて開かれたテレビ討論で、とあるパネリストが吐きだした言葉だった。大学で経営学を専攻するラアレズ氏はこの時から、プラスチックゴミを活用した起業アイデアを構想し始めた。

今年、インパクトジャーナリズムの日に参加した世界の報道機関は、ゴミ問題の解決のための各国の様々な努力を紹介した。モロッコの日刊紙レコノミストが紹介したゼリージュインベント(Zelij Invent)は、ラアレズが2017年7月に設立したスタートアップだ。

ラアレズ氏は、派手な色、幾何学的模様が特徴であるモロッコの伝統的な飾りタイル、ゼリージュからインスピレーションを得て、ゼリージュの美的特性を盛り込んだ環境にやさしい道路包装用石を作る決心をした。セメントと砂を除いては、ほとんどの材料を廃プラスチックから調達することにして、捨てられたプラスチック製ボトルとボトルのキャップ、プラスチック容器などを集めた。

最大の障害は、可燃性の問題だった。簡単に火がつけば、商用化が難しいからだ。臨時の研究室にしていた父親のガレージで3ヶ月間実験を行った末、可燃性を減らし、耐久性は向上させる最適の製造法を見つけた。プラスチックが80%、セメントと砂が20%で構成された包装材「Paveco」は、市販包装材の3分の1の価格でありながら、コンクリート並みに堅い。まだ試作品のみ製作しているが、ビジネスが軌道に乗れば、月に約2520トンのプラスチックをリサイクルできると予想される。

プラスチック包装紙をまったく使わないのが現実的に不可能であれば、簡単に分解される「やさしい包装紙」を作ればどうだろう。イスラエルの日刊紙ハアレツが紹介した包装紙メーカー、ティパ(TIPA)は、植物性包装紙を開発した。メラブ・コレン・マーケティング取締役は、「TIPAの包装紙は、プラスチックのように見えるが、オレンジの皮のように生を終る」と説明した。

植物性化合物を編んで作ったTIPAの包装紙は、地中に埋められて適切な水分供給を受ければ、180日以内に堆肥になる。ゴミ埋立地に捨てられても、自ら腐ってなくなって痕跡を残さない。TIPAは、2012年にこの包装紙を開発し、2016年から欧州市場での販売を開始した。2017年の販売数量は、前年比4倍に伸びた。有名デザイナーブランド、ステラ・マッカートニーは最近、包装紙をすべてTIPAの製品に変えた。TIPAは技術をさらに開発して、価格競争力を高めて、市場を拡大していく計画だ。

プラスチックスプーンの代わりに、「食べられるスプーン」を作ったところもある。インドの日刊紙ザ・ヒンドゥーは、キビ粉、小麦粉、米粉でスプーンを作る企業ベイキーズ(Bakeys)を紹介した。ベイキーズのナラヤナ・ぺサパーティー代表はキビで作られたロティ(南アジアで主に食べるパン)からインスピレーションを受けた。硬く固まったロティにカレーをのせて食べていたところ、ロティをスプーン状にすれば、プラスチックの使用量を減らせるだろうと考えたのだ。

米、小麦、キビの3つの穀物で作られたこのスプーン1つの生産コストは4ルピー(約60ウォン)に過ぎない。生産を開始した2016年6月から約220万個が売れた。120カ国から注文が寄せられるなど需要は多いが、生産設備が足りず、ネット上での注文は受けていない。現在は従業員11人が1日に1万個のスプーンを生産している。ペザパーティー代表は、「これからは生産機械を販売して、彼らに自らスプーンを作らせて販売させたい」という計画を明らかにした。


チョン・チェウン記者 chan2@donga.com