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[オピニオン]フリーキック

Posted June. 16, 2018 09:12,   

Updated June. 16, 2018 09:12

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14日のワールドカップ(W杯)開幕戦でロシアのアレクサンドル・ゴロビンがサウジアラビアを相手に後半ロスタイムに見事なフリーキックでネットを揺らした。これこそサッカーの醍醐味だ。サッカーファンでも知られる国際政治学者のヘンリー・キッシンジャー氏はサッカーをよくバレエに譬えたが、サッカー選手の足の動きがバレリーナの足の動きほど繊細だという。ファンタースティックはドリブルや精彩に富んだパス、絶妙なフリーキック(FK)はいずれも繊細な足の動きを必要とする。

◆かつてペレ氏やマラドーナ氏から今のメッシやネイマールに至るまで、世界トップレベルのドリブルやパス能力を備えた選手たちは、殆どが見事なFKを蹴る。だが、歴代最高のFKを挙げるとすれば、やっぱりセルビアのミハイロビッチ氏だろう。氏は、FKだけで1試合3ゴールを奪ってハットトリックを記録したサッカー史上唯一の人物だ。かつてイングランドのベッカム氏も、大きく曲がるFKを得意としたことで有名だ。しかし、当時、イングランド代表のスヴェン・ゴラン・エリクソン監督は、「ベッカムが素晴らしいFKを蹴るのは間違いないが、だからと言ってミハイロビッチと比較するのは失礼だ」と話したことがある。

◆ここに来てFKの歴史を変えているのが無回転キックだ。無回転キックは、回転しないボールが空気の抵抗を受けてどのような変化を起こすのか予測できないため、蹴ったボールの軌道を読むのが難しい。GKは、ボールが目前で突然落ちたり、消えるような感じを受けるという。ポルトガル代表のクリティアーノ・ロナウドが威力的な無回転FKを得意とする。。韓国代表で無回転FKが蹴れる選手には孫興民(ソン・フンミン)と鄭又栄(チョン・ウヨン)がいる。18日のスウェーデン戦で素晴らしい活躍を期待したい。

◆今回のW杯にはエジプト代表のモハメド・サラーが断然注目される新鋭だ。イングランド・リバプール所属で2017~2018シーズンのプレミアリーグを支配した。ただ、欧州チャンピオンズリーグ決勝での負傷から回復したかがカギとなる。フランス代表のアントワーヌ・グリーズマンやイングランド代表のハリー・ケイン、ドイツ代表のティモ・ヴェルナーも最高の得点感覚を発揮している。メッシ、ロナウド、ネイマールなどレジェンド級の選手だけでなく、新鋭のスター選手の活躍にも注目すれば、より興味深いW杯になることだろう。


ソン・ピョンイン論説委員 pisong@donga.com