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韓米軍事演習中止なら有事の共同対応能力低下は必至

韓米軍事演習中止なら有事の共同対応能力低下は必至

Posted June. 14, 2018 08:37,   

Updated June. 14, 2018 08:37

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トランプ米大統領が米朝首脳会談後の記者会見で明らかにしたとおり韓米軍事演習が中止になれば、韓国の安保と域内の勢力バランスに少なからぬ衝撃波が予想される。まず、韓米連合軍の戦時任務遂行能力が弱まる可能性がある。キーリゾルブ(KR)や乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG)などの韓米軍事演習は、北朝鮮が核や通常兵器で挑発した場合の作戦計画(OPLAN)によって、挑発類型別の反撃や米増援戦力の展開手続きを訓練することが核心だ。

しかし、韓米の主要な一線指揮官は1~2年で交代になる。毎年の連合演習を通じて「息」を合わせてこそ、有事の際の対応に万全を期すことができる。また、北朝鮮の核・ミサイル基地と装備施設は、韓米軍の監視を避けて位置を移されるか隠されることが多い。このような「核心ターゲット」を追跡して開戦初期に最短時間で除去することも演習内容に含まれる。しかし、トランプ氏の言葉どおりこれが中止になれば、北朝鮮の核・ミサイル対応の態勢にも穴があく恐れがある。演習中止が、米戦略資産の展開の大幅縮小や中止へとつながる可能性もある。

北朝鮮と中国はこれまで、韓米同盟を「冷戦の産物」と主張してきた。休戦後、北朝鮮から中国軍は撤収したが、韓国には米軍が駐留して毎年軍事演習を行い、韓半島と域内の緊張を高めているということだ。このため演習中止は、中朝のこのような主張に力を与えることになるかもしれない。「韓米軍事演習が挑発的」というトランプ氏の発言が、戦術的敗着という批判を受ける理由だ。14日に板門店(パンムンジョム)統一閣で行われる南北将官級軍事会談で、北朝鮮が8月に予定された韓米UFGの全面中止を求めるという見方が多い。

韓国軍の関係者は、「演習中止が長期化すれば、在韓米軍の役割と地位も弱まり、自然に縮小・軍撤収につながると中朝は判断するだろう」と懸念を示した。さらに、韓米軍事演習中止の「最大受恵者」が中国という指摘もある。中国が非核化の解決法として主張した「双中断」(北朝鮮の核・ミサイル挑発と韓米演習の同時中断)が実現すれば、今後、韓半島情勢全般にわたって中国の影響がさらに強まる可能性があるということだ。


尹相虎 ysh1005@donga.com