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「スラベル」を探して

Posted May. 17, 2018 08:50,   

Updated May. 17, 2018 08:50

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夏が近づくと、フィットンスセンターを訪れる人たちが増える。頑丈な体を作りたくなるからだ。そのためには、運動・栄養・休息の3拍子をうまくそろえなければならない。筋肉は運動するときではなく、私たちの体が休む間に作られるからだ。通常、二日間の運動と1日の休息を勧める。

◆仕事においても最高の結果を出したいのなら、休憩が必要だ。米シリコンバレーのコンサルタントが書いた本「仕事ばかりするわけではありません」によると、仕事の成果は仕事をしていない時間によって決まる。仕事と休憩は反対概念ではなく、相互補完的関係だという意味だ。より少なく働き、よく多く休む人のほうが能率も高いという。勉強も、脳を休ませる時間が補薬。遊びや休憩時間が記憶力を高めるなど、学業にプラス要因として働くという研究結果が、たびたび出てくる理由だ。

◆韓国社会は、休み時間も学習の一部であるという話に耳を閉ざして生きている。小中高校生の日常において勉強と生活のバランス、いわば「スラベル(Study and Life Balance)」はあまり目にできない。最近、「緑の傘子供財団」が行った「児童の幸福な生活時間の調査」で、小中高生の平日の休憩時間は、小学生が48分、中学生が49分、高校生が50分の順だった。特に小学生は平日の学習時間は最も長く、週末の時間は最も少なかった。実際、東亜(トンア)日報に紹介された小学生たちの日課表を見ると、一日平均11時間を勉強に費やした。家庭教師による授業や塾通いを繰り返すために、深夜0時を過ぎて床につく子供もいた。

◆「勉強強迫」に気後れした子供は、休み時間が与えられると、かえってぎこちなく不安を覚える。自分で時間を過ごすことに慣れていないからだ。子供の頃はスラベルに苦しみ、大人になったらワラベル(Work and Life balance)に苦しむ。日の暮れる時まで路地で走り回りながら遊んだ思い出を持つ世代が見るには、気の毒である限りだ。「スラベル」とは最初からかけ離れて育った子供たちが、創造性と想像力が重要だと言われる21世紀に適した人材像になれるかどうかも問題だ。子供の将来を心配する親なら、休憩の価値を考え直す時だ。子供たちがよりよく勉強するためにも、将来への適応力を高めてもらうためにも。


コ・ミソク論説委員 mskoh119@donga.com