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「21世紀ファラオを選べない」エジプト若者層の投票離れ

「21世紀ファラオを選べない」エジプト若者層の投票離れ

Posted March. 28, 2018 09:24,   

Updated March. 28, 2018 09:24

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26日、カイロ市内の各地でエジプト国旗がなびいた。トラックに乗ったシーシ大統領(64)の支持者は、エジプトの国歌を流して国旗を振った。通りにいた市民は興味のない表情で支持者を眺めた。エジプト大統領選初日の風景だ。

エジプト大統領選の初日、「シーシとともに行こう」というスローガンを掲げたプラカードが道路上を占領した。カイロの主要道路には20メートルごとにシーシ氏の写真が掲げられた。一方、シーシ氏の唯一の大統領選ライバル候補の政党ガッド党のムーサ党首(66)のプラカードはほとんど見られなかった。

選挙現場を取材するために韓国プレスセンターで取材許可証の発給を受け、カイロ南部マディ地域のある投票所を訪れたが、中には入ることができなかった。投票所の前で立っていた軍人と警官は、「入ることはできない」と制止した。今投票する市民がいないという理由だった。

記者が投票所を訪れた時間は市民が投票所に集まると予想される帰宅時間帯だったが、投票所の前は閑散としていた。次に訪れた投票所も同じだった。シーシ氏の支持者が投票所の前に大きなスピーカーを持ってきて投票を促していたが、投票所に足を運ぶ市民は少なかった。ここでも銃を持った軍人が投票所内の取材を許可しなかった。

幸い投票所の規模が大きなダルエルサレム地域で投票現場を取材することができた。同日投票所を訪れた有権者の年齢層はほとんどが50代以上だった。コプト教の服装のミハイル・イブラヒム氏は、「2人のうちに1人を選ぶのに悩む理由はない」とし、「シーシ氏はこの4年間、エジプトのために多くの仕事をしてきた」と話した。中高年層有権者はほとんどがエジプトの「安定」のためにシーシ氏を選択した。

投票所の外で会ったムスタファ・サイドさんは、「当然シーシ氏に投票した」とし、「彼は危機に直面したエジプトを救った」と話した。今年初めて投票権を持ったというハディル・ハシム・アブド・ラティフさんは、「エジプトにはシーシ氏のように強い指導者が必要だ」と強調した。

しかシーシ氏の支持の熱気に眉をひそめる有権者もいた。今年二十歳のモハメドさんは、「投票所の前のシーシ支持者はほとんどが金をもらって動員された」と支持者を非難した。

 

エジプトでは、2011年の市民革命後、翌年の大統領選を通じてムスリム同胞団の指導者ムハンマド ムルシ氏が初の民選大統領になった。しかし、過度なイスラム原理主義政策と経済難で大規模な反政府デモが起き、13年7月に国防長官だったシーシ氏がクーデターを起こした。

軍部暫定政府はエジプトの安定を取り戻すという名目の下、ムスリム同胞団と民主化勢力を徹底的に弾圧した。シーシ氏が14年に大統領選で政権を握った後、エジプトの民主主義は「アラブの春」の前に後退した。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは昨年、シーシ政権の人権弾圧の実態を暴露する報告書を公開した。

シーシ軍部政権は、来月2日のエジプト選挙管理委員会の発表を通じて4年さらに執権することになる可能性が高い。専門家たちは、「もし投票率が14年の大統領選(47.5%)より低い場合、シーシ政権の国政動力は弱まる可能性がある」と見通した。


朴民優 minwoo@donga.com