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ボルトン氏の起用は「穏健派追放」のシグナル、マティス国防長官も解任か

ボルトン氏の起用は「穏健派追放」のシグナル、マティス国防長官も解任か

Posted March. 26, 2018 08:53,   

Updated March. 26, 2018 08:53

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「スーパータカ派」と呼ばれるジョン・ボルトン氏が米国の外交安保政策の指令塔である大統領補佐官(国家安全保障担当)に起用され、国家安全保障会議(NSC)の役人たちに対する大々的な総入れ替えに出ると見える。前任のマクマスター補佐官の色を消し、トランプ大統領の忠誠派を大挙布陣させると予想される。北朝鮮核問題の対応や南北、米朝首脳会談などの懸案で歩調を合わせてきた韓米外交安保チャンネルにも火の粉が飛ぶものと見える。

● 「オバマ氏とマクマスター氏ライン、数十人を更迭か」

米外交安保専門誌「フォーリン・ポリシー」は24日(現地時間)、複数の消息筋を引用して、「ボルトン氏が職員数十人を更迭し、マクマスター氏のNSCを解体するだろう」と伝えた。英経済専門誌「エコノミスト」も、ボルトン氏のホワイトハウス入城を「サンダーボルト」にかけて「サンダーボルトン」と表現し、米外交安保ラインの大々的な変化を予告した。

ワシントン外交関係者の間では、ボルトン氏がNSCを速かに掌握し、自分の側の人物を入れる可能性が高いと見ている。トランプ氏に忠誠をつくさない官僚、メディアに情報を漏らしたチーム員、オバマ政権時から勤めた官僚などが粛清の対象になると予想される。あるホワイトハウス高官は、「マクマスター氏が任命した政務職を全て取り除くだろう」とし、オバマ大統領在任中にいた人すべてが荷物をまとめ始めた」と話した。ボルトン氏は任命直後、FOXニュースとのインタビューで、「もし執行省庁が情報を流すことを決意するなら、外交を遂行することはできない」とし、人的刷新の必要性を提起した。

 

ティラーソン前国務長官と共に北朝鮮核問題に対する外交的解決策を主導したマティス国防長官の去就も関心だ。米紙ニューヨーク・タイムズは、「トランプ氏が22日にボルトン氏の任命を発表する直前、マティス氏が周囲の人々に『ボルトン氏と一緒に仕事をすることは難しい』と話した」と報じた。また、更迭説が出ているケリー大統領首席秘書官も、ボルトン氏の起用に対して冷淡な反応を示したと伝えた。英フィナンシャル・タイムズは、タカ派の登場が穏健派のマティス氏を孤立させるだろう」と分析した。

しかし、タカ派一色のホワイトハウスで、マティス氏の権限と役割が大きくなり得るという分析も出ている。ブルッキングス研究所のトーマス・ライト研究員は、「マティス氏は唯一の生存者」とし、「彼は強大な権限を持つポストに就き、以前よりも重要になるだろう」と見通した。

● 「サンダーボルトン衝撃」に韓米チャンネルも動揺

スーパータカ派と呼ばれるボルトン氏のNSC掌握に続き、マティス氏の交替説まで飛び交い、韓国側の外交安保ラインの緊張も高まっている。

政府は週末、まずホワイトハウスの気流確認に焦点を合わせた。政府関係者は25日、「まだ米国側の気流がこれまでと大きく異ならないと見える。今回の人事は機制を制するための北朝鮮への圧力用でもあるため、対北交渉に利するか害するかはもう少し今後を見なければならない」と話した。

一方では、国務長官に指名されたポンペオ氏やボルトン氏と胸襟を開いて話せるほど近い韓国側の要人がいないため、政府は彼らとどのようにネットワークを構築するのかを先決課題と見ている。ある当局者は、「『ボス』が変われば、その下の政府の人々の動揺も激しい」とし「直ちに高官級から底辺まで米政府と合わせた韓国のチャンネルも再び設定しなければならない」と懸念を示した。

一部では、トランプ氏の側近に総入れ替となった今回の人事が、かえって韓半島問題の解決に機会となるという分析もある。外交部関係者は、「米国務省で『能動的に仕事をしよう』という声が聞こえる」とし、「米国側との協力が明確に行われる可能性もある」と期待した。


朴湧 parky@donga.com · 申晋宇 niceshin@donga.com