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高銀氏詩集出版見合わせ、出版界ではMeToo加害者の痕跡を消去

高銀氏詩集出版見合わせ、出版界ではMeToo加害者の痕跡を消去

Posted March. 12, 2018 07:30,   

Updated March. 12, 2018 07:30

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最近、#MeToo(私もやられた)運動の影響で、高銀(コ・ウン)詩人の作品が教科書から退出されたのに続き、出版界でも「高銀詩人の痕跡消去」に乗り出している。

出版社「チャンビ」は11日、東亜(トンア)日報との電話インタビューで、「今年、高詩人の登壇60周年を迎えて、上半期に出版する予定だった高詩人の新しい詩集『沈清(シムチョン)』の出版を無期限延期した」とし、「今後どのように対処するかはまだ決まっていない。内部で引き続き議論している」と明らかにした。

詩集「沈清」は、古典小説「沈清伝」からモチーフを得た長編叙事詩で、200字詰め原稿用紙で1000枚を超える膨大な分量である。高詩人は今年初め、原稿の草案を出版社にすべて渡した状態だった。

出版社「スリーチェアース」も、「高詩人を扱った隔月刊誌『バイオグラフィ』の6号(2015年)を全量回収して廃棄する」と明らかにした。この雑誌には高銀詩人が活動していた1970年代の民主化運動の現場、文人たちとのエピソード、60年代に出没していた「偽の高運」事件とノーベル文学賞にまつわる裏話が盛り込まれていた。出版社はまた、2016年、安熙正(アン・ヒジョン)前忠清南道(チュンチョンナムド)知事を扱った雑誌8号と同年出版した安前知事の本「コラボネーション(協力+国の合成語)」も同様に回収廃棄する方針だ。

一方、スリーチェアースは10日、オンラインニュースレター「北ジャーナリズム」で、先月19日、高銀詩人が編集部に送った文も紹介した。高詩人はセクハラ疑惑について、「今は言葉が全て去ってしまった。いつか戻ってくると、その時に話したい」と答えた。

ジャーナリズムには、先月23日に行った安前知事とのインタビュー内容も掲載された。安前知事は性暴行問題について言及しながら、「(人は)力のある誰かが牽制しなければ、自分勝手に行動する。踏みつけられると、反抗してこそ踏みつけられない」と主張しながら、韓国社会の問題として、「(女性を)『触ってもじっとしているのは、すぐにキスしてほしいという意味だ』というような歪曲された成人式」を指摘した。

一方、ソウル市は、高詩人の文学世界にスポットライトを当てたソウル図書館の展示空間である「万人の部屋」を12日完全撤去する計画だ。


趙允卿 yunique@donga.com