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自由貿易主義者ゲイリー・コーン氏の落馬

自由貿易主義者ゲイリー・コーン氏の落馬

Posted March. 09, 2018 08:05,   

Updated March. 09, 2018 08:05

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輸入鉄鋼に一律に高率関税を課そうとするドナルド・トランプ米大統領と対立してきたゲイリー・コーン・ホワイトハウス国家経済委員会(NEC)委員長(57)が、6日(現地時間)辞退すると、懸念が高まっている。自ら辞任する形を取ったが、落馬と解釈される雰囲気だ。共和党序列3位のジョン・スーン上院議員は、「彼は(ホワイトハウスで)『理性の声』を出す人物だ」と語った。北米自由貿易協定(NAFTA)の廃棄を防ぎ、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への復帰も主導してきたコーン前委員長は、ホワイトハウスで自由貿易の「最後の盾」と評価された。

◆ポーランド系ユダヤ人家庭で生まれたコーンは、アメリカン大学で経営学を専攻し、投資銀行であるゴールドマン・サックスで26年間務めた。2016年12月、トランプ大統領が彼を大統領に経済政策を助言する「NEC委員長」に指名すると、反発が殺到した。金融規制を公約に掲げたトランプが、年収が260億ウォンもある金融界の代表人物を経済政策のコントロールタワーとして任命したからである。

◆ウォール街から信頼を受け、自由貿易を守ってきたコーンの落馬で、米国の保護貿易障壁は一層高まる見通しだ。特に、今後ホワイトハウスの経済政策を主導するピーター・ナヴァロ貿易製造業政策局長(69)は、「自由貿易は米国経済に有益である」という主流経済学を否定する。中国の浮上を批判的に照明した「中国が世界を支配する日」(Death by China)の著者でもある彼は、米中貿易戦争をむしろ悪化させる可能性が大きい。

◆自由貿易を擁護する世界各国は、ホワイトハウスで対話できる人物がいないと懸念している。トランプ大統領の鉄鋼関税発表当時、ワシントンに滞在していた習近平中国国家主席の経済策略家である劉鶴中央財経領導小組弁公室主任も、ホワイトハウスとのコミュニケーションに苦労した。サウスチャイナ・モーニングポストは、「中国はトランプのホワイトハウスが混沌に陥っているので、適切な会話パートナーを見つけられずにいる」と伝えた。米国の強力な貿易圧迫の中で、自由貿易協定(FTA)の改正を進めている韓国も対話パイプが切実である。金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長が一人で米国の朝野を説得する状況である