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1300年のチベットの聖所「ジョカン寺」で不審火...中国はSNS統制

1300年のチベットの聖所「ジョカン寺」で不審火...中国はSNS統制

Posted February. 20, 2018 09:01,   

Updated February. 20, 2018 09:01

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チベット自治区のユネスコ世界文化遺産、ジョカン寺(大昭寺)で火災が発生したにもかかわらず、中国当局は2日が経っても正確な被害状況を明らかにせず、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の情報まで統制したため、疑惑が提起されている。

中国国営メディアによると、「春節」(中国の正月)の連休2日目の17日午後6時40分頃、チベット自治区の首都、ラサのジョカン寺で火災が発生した。寺院の裏にある僧侶の住居で発生したと見られる火災は、遠くからも炎が激しく空に立ち上る様子が見えるほどだった。約1300年の歴史を誇るジョカン寺は2000年に世界文化遺産に指定され、海外でも被害への関心が高かった。しかし、国営メディアは、「火は迅速に消し止められ、人命被害も文化遺産の被害もない。周囲の秩序はすべて正常」とし、「出火原因は明らかでない」とだけ伝えた。

微博(中国版ツイッター)などに同寺の金塔の上部にも火がついた様子など火災関連の写真や被害を心配する書き込みが掲載されたが、ほとんどの閲覧が禁止されるか削除された。国営新華社通信は18日、「寺院は平常どおり開放された」とし、「一時統制された寺院周辺の道も開放され、信徒や旅行客が列をなして参拝・参観している」という記事を掲載した。チベット自治区の西蔵日報は、微信(中国版LINE)の公式アカウントを通じて火災に関する言及はせず、寺院内部の代表的な文化遺産である仏像(釈迦の12歳の時の姿を形象化した等身像)の写真を投稿した。この写真は、火災翌日の18日午前11時頃に撮影したと明らかにした。

中国当局が火災の情報を統制する理由は、ジョカン寺の政治的敏感性のためだろう。ジョカン寺は1989年と2008年のチベット独立デモの中心地であり、2008年には寺院付近でデモ参加者が警察車両を破壊した。2015年のチベット自治区設立50周年の時は、兪正声・中国人民政治協商会議主席がジョカン寺を訪れ、宗教界関係者と会った。

中国当局は、ジョカン寺の火災に関するニュースは統制するものの、昨年12月に米フィラデルフィアのフランクリン科学博物館で起こった秦始皇の兵馬俑親指盗難事件は、国営メディアが大々的に報道している。中国青年報は19日、兵馬俑を貸与した中国陝西省文物交流センターが問題の博物館に修復の専門家2人を派遣し、賠償の手続きにも着手したと報じた。


尹完準 zeitung@donga.com