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「平昌後」のため対北朝鮮特使派遣の条件

「平昌後」のため対北朝鮮特使派遣の条件

Posted February. 13, 2018 08:56,   

Updated February. 13, 2018 08:56

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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が妹の金与正(キム・ヨジョン)党宣伝扇動部副部長を通じて文在寅(ムン・ジェイン)大統領に訪朝を要請したことで、韓国政府の動きも慌しくなった。「条件を整えて実現させよう」という文氏の肯定的な回答通り、第3回南北首脳会談の条件を整えるには、北朝鮮だけでなく米国をはじめ周辺国との緊密な調整が重要だ。与党内外では、文氏が北朝鮮に高官級特使を派遣する必要があるという声が高まり、早くも何人かの要人が特使候補として名前が挙がっている。

北朝鮮への特使派遣は、金与正氏が事実上、金正恩氏の特使の立場で訪韓したので、この答礼の次元でも、平昌(ピョンチャン)五輪後の韓半島の平和定着のためにも、重要な機会になり得る。しかし、性急に推進する場合、北朝鮮の宣伝に利用される結果を生む可能性があるため、徹底した準備と戦略の下で推進されなければならない。

まず、米国との緊密な意思疎通と政策調整がなされた後に派遣しなければならない。急いではいけない。南北関係は米朝関係とは別に進むことはできない。米国も対話に反対しているわけではない。米国を100%満足させることはできないが、少なくとも誤解と不信があってはならない。韓国政府は、南北間対話の内容を「米国が嫌がるほど詳細に伝える」と述べた。詳細な共有を基に共同の目標と最小限の対話の条件、韓米間の役割分担などを議論しなければならない。北朝鮮への特使は文氏の代理人だが、トランプ米大統領のメッセンジャーの役割も果たさなければならない。

第二に、特使が金正恩氏に伝える首脳会談の核心議題は、北朝鮮の非核化でなければならない。特使は北朝鮮に核の放棄なくして国際社会の制裁と圧力から脱することはできず、南北関係の進展も期待できないということを明確に伝えなければならない。文氏が金与正氏一行に早期の米朝対話の必要性を指摘して非核化を遠回しに促したが、特使は明確なメッセージで北朝鮮の未来について話さなければならない。そうしてこそ、金正恩氏から非核化の問題を対話テーブルにのせるという最低限の約束を取り付けることができ、その後の首脳会談の準備協議による追加の成果を期待することができる。

第三に、特使派遣と南北首脳会談の議論が、北朝鮮に対する制裁と圧力を遅らせる口実になってはならない。北朝鮮の対南融和攻勢には、多分に核兵器開発の完成のための時間稼ぎの意図もある。これに巻き込まれてはならない。特に北朝鮮は、平昌五輪後に延期された韓米合同軍事演習を中止するよう求めている。例年の防衛演習を交渉の対象としてはいけないが、北朝鮮の明確な非核化意志の表明もなく対北圧力が緩む姿で映っては、北朝鮮と共に韓国まで国際社会から信頼を失ってしまうだろう。

最後に、特使は文氏の考えを代弁しながらも重量感をもって国際社会のメッセージを金正恩氏に伝える人物でなければならない。過去のように国家安保の責任を負う国家情報院長が再び協議にはいることは不適切だ。国連の平昌五輪の休戦決議期間が3月25日までだ。その後の韓半島情勢は依然として予測不可能だ。1ヵ月半が残された。