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嗅覚能力の損傷有無で認知症を判断、 大邱慶北科学技術院研究チームがメカニズムを解明

嗅覚能力の損傷有無で認知症を判断、 大邱慶北科学技術院研究チームがメカニズムを解明

Posted January. 12, 2018 08:48,   

Updated January. 12, 2018 08:53

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「においをよくかぐことができなければ認知症にかかる可能性がある」「言葉がどもりがちになると、認知症の初期症状である」

世間に知られた俗説である。多くの研究者は、俗説の中の症状を基に、認知症を早期に診断できるかどうかを研究している。一部は成果もある。

英バーミンガム大学の研究チームは、言語を担当する脳と初期認知症との関係について研究し、「臨床神経映像」の1月号に発表した。健常な高齢者、認知症ではないが記憶力が悪くなる軽度認知障害を経験する高齢者、認知症の種類の中で最も多いアルツハイマー病の診断を受けてから3年未満の高齢者を対象に、脳の表面を流れる電流(脳波)を測定した。その結果、アルツハイマー病が進んだ場合、目で見た文字を言葉に変換するときに脳波が健常者に比べて弱くなることを測定することができた。脳波が弱まる程度とパターンは、軽度認知障害とアルツハイマー病がそれぞれ異なった。研究チームは、これを基に脳波検査だけで軽度認知障害患者と認知症に症状が転換される患者を事前にわきまえることができると明らかにした。

大邱慶北(テグ・キョンブク)科学技術院(DGIST)のムン・ジェイル脳・認知科学専攻教授チームは、ラットの嗅覚神経を研究して、認知症初期の嗅覚喪失メカニズムを解明した。これは昨年8月、脳科学ジャーナル「細胞死滅および病気」に発表された。ムン教授チームは、嗅覚上皮組織でもアミロイドベータタンパク質が生成されること確認した。このタンパク質が直接嗅覚神経細胞に致命的な影響を及ぼして、嗅覚能力の損傷をもたらすという事実も確認した。アミロイドβタンパク質は、認知症を引き起こす脳損傷の指標である。

ムン教授は、「これまで明らかにされなかったアミロイドβの生成メカニズムを解明した」とし、「認知症の早期探知のための研究を続けていきたい」と明らかにした。

目を通じて、認知症を測定しようとするアイデアもある。昨年8月、米シーダーズ・ サイナイ・メディカルセンター の研究チームは、眼科でよく見られる眼球撮影機を改善して、解像度を大幅に高めた後、これを利用して網膜の中の血管を撮影すると、周囲の末梢組織に沈着したアミロイドβを直接確認できることを発見した。

研究責任者であるシーダーズ・ サイナイ・メディカルセンターのマヤ・コロニョハマウイ神経外科教授は、「網膜がアルツハイマー病を早期診断する信頼性の高い指標であることが明らかになった」とし、「何度も繰り返して検査することができるので、病気の進行状況を追跡できることが長所だ」と語った。



ユン・シンヨン東亜サイエンス記者 ashilla@donga.com