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北京の低所得層が強制立ち退きに抗議して集団デモ

北京の低所得層が強制立ち退きに抗議して集団デモ

Posted December. 12, 2017 09:27,   

Updated December. 12, 2017 09:38

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中国北京当局の貧民村強制撤去に抗議するデモが10日午前、北京の東側にある朝陽区の下層民密集地域である「費家村」などで行われた。真冬に家から追い出される危機に置かれた低所得層の住民らは、「暴力的立ち退きは人権侵害!」というスローガンを叫びながら抗議した。社会統制が厳しい中国で当局に抗議するデモが起きるのは極めて異例のことだ。偶然にもこの日は世界人権の日だった。北京当局は先月19日、低所得層居住地域の火災後、地方出身の低所得層に対する一斉の強制立ち退きを進めている。

中国版ツイッターであるウェイボーによると、同日、費家村では低所得層たちが集まって「暴力的立ち退きは人権侵害」という横断幕を手にしてスローガンを叫びながら、人権保障を要求するデモを行った。このスローガンは、チラシでも街のあちこちに貼られた。米国の声(VOA)の中国語版は、「少なくとも1人のデモ参加者が公安(警察)に逮捕されたが、デモ参加者が1000人に達した」と伝えた。費家村は、北京の有名な観光地である798芸術通りから遠くないところにあり、外地出身のアーティストたちと労働者らが多く住んでいるところである。

北京の南側の南中でも、低所得層のデモ隊が道をふさいで当局の断電・断水措置に抗議するデモを行っていたことが分かった。ここでも低所得層に対する一斉立ち退きが進められている。北京市は、15日前まで、北京滞在許可証のない低所得層が住んでいたすべての臨時構造物を撤去する予定だと主張し、この時まですべて立ち退くように公告した状態だ。同日から、電気と水の供給が全面中断される予定である。

ことの発端は先月18日、外地から来た低所得層が多く住む北京市大興区西紅門の賃貸建物で起きた火災で、19人が死亡した出来事である。以後、北京市は火災の危険性を除去するという名目で、いわば低端人口(地方出身の低所得下層民)が住んでいる不法建物の一斉撤去と立ち退きを行うことで、低端人口を北京から追い出そうとしているという声が出た。中国国内でもウェイボーを中心に、ネットユーザーたちが、「私も低端人口」と宣言するなど、強制立ち退きへの批判世論が高まっている。

これに先立って、中国は7、8日、北京で「第1回南南人権フォーラム」を開いて、発展途上国の人権協力案について議論した。中国で開かれた初の人権フォーラムだった。習近平国家主席が書面による祝辞で、「発展途上国は人権の普遍性と特殊性の原則を堅持しながら、人権保障のレベルを絶えず高めていかなければならない」と述べたことがある。



尹完準 zeitung@donga.com