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プーチン大統領、個人での五輪参加を容認 平昌五輪に転機

プーチン大統領、個人での五輪参加を容認 平昌五輪に転機

Posted December. 08, 2017 09:22,   

Updated December. 08, 2017 10:23

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2018平昌(ピョンチャン)冬季五輪が「危機」から抜け出す転機を迎えるだろうか。

「個人資格で平昌五輪に参加したい選手たちの道を止めない」。ロシアのプーチン大統領の発言で平昌五輪の雰囲気が劇的な変わった。

国際オリンピック委員会(IOC)は6日、理事会を開き、国ぐるみのドーピングが発覚しているロシアに対して、平昌五輪への参加を認めない重い処分を科した。ただ、別途の薬物検査を通過した「潔白な」ロシア選手は、個人資格で参加できるようにした。

先月まで、プーチン大統領は「IOCが個人としての五輪参加を認めたのはロシアに対する侮辱」だとし、平昌五輪をボイコットする可能性を示唆した。ロシアが平昌五輪を全面的にボイコットする場合最悪の状況が予想された。だが、IOCの発表から数時間後、ロシアの中部都市ニズニ・ノヴゴロドにあるGAZ自動車工場を訪問したプーチン大統領は、「選手たちが五輪のためにどれだけ頑張ってきたか良く知っている。選手たちにとって五輪は大変重要だ」と言い態度を軟化させた。ただ、プーチン大統領は、「今回のIOCの決定は政治的な動機から下されたと見られる。私はソチ五輪を含め、過去の大会で優勝しろという課題を与えたことがない」と言い、ドーピングに関わったとする疑惑を否定した。

ロシアは12日、五輪会議を開き、ロシア選手たちの個人参加を認めるかどうかを最終的に決定する。来年3月の大統領選に出馬する意向を示したプーチン大統領が、選手たちの平昌五輪参加を容認したため、ロシア選手は平昌に姿を現すものと見られる。2016年のリオデジャネイロ夏季五輪でIOCはロシアの五輪参加を認めない措置を取ったが、各競技団体にロシアの参加の可否を委ねた。「ドーピングとの戦争」を宣言したIOCがロシアのドーピング問題で消極的に対処し、米国や欧州など西側からは激しい批判を浴びた。トーマス・バッハIOC会長を「プーチンのプードル」と揶揄された。

もし今回も以前のような対処をしていたら、IOCまで不道徳的な集団と非難されるところだった。IOCの調査結果、自国開催のソチ五輪に出場するロシア選手25人がドーピング検査で摘発された状況だったからだ。ロシアがソチ大会で獲得した33個のメダルは、11個を剥奪され22個に減った。だが、IOCはロシアの五輪出場を全面的に禁止する決定を下し、IOCへの非難を一気に静まらせた。

IOCの懲戒処分でロシア選手は、大会期間にロシアの国歌や国旗を使うことができなくなった。「中立選手」として「ロシア出身選手(ORA)」という文字が印字されたユニホームを着用しなければならない。だが、IOCは平昌五輪閉会式ではロシア国旗の使用とユニホームの着用を認めた。

ロシアにとってもドーピング問題はいつかは一度はけじめをつけなければならない問題だった。今回のIOCの処分は免罪符がもらえる良い契機にもなり得る。ロシアは2020年の東京夏季五輪から、再び正常に五輪参加が実現することを期待している。国際スポーツ外交に詳しい関係者は、「今回のIOCの懲戒発表に先立ち、バッハ会長とプーチン大統領が事前に意見を交換した可能性が高い」とし、「IOCとしては大義名分を、ロシアは実利を得る形となった」と話した。英国のBBCは7日、双方が水面下で折り合った疑惑があると報じた。

平昌もひとまず安堵している。個人資格とは言え、ロシアを代表するトッププレイヤーたちが平昌五輪に参加すれば、大会の権威は大きなダメージを受けない。世界2位のアイスホッケーリーグであるロシア・アイスホッケーリーグ(KHL)選手とショートトラックのビクトル・アン(韓国名アン・ヒョンス)らはすでに個人として平昌五輪に参加したい意向を表明している。女子フィギュアスケートのスター、エブゲニア・メドベージェワも従来の立場を変えて平昌五輪に出場する可能性がある。ドーピング波紋を踏まえて平昌五輪に参加するロシア選手たちが活躍する場合、新たな話題となる可能性もある。

こうした状況の中、平昌五輪を成功させるために最も重要なのは、実際にロシア選手たちがどれだけ参加するかだ。プーチン大統領が個人としての出場を止めないとは言ったものの、個人資格で出場するまでには多くの厳しい制約が伴う。

これを受け、IOC会議に出席するためスイス・ローザンヌに滞在している平昌五輪組織委員会の関係者たちは、ロシア選手の平昌五輪出場を誘うため、早速動き出した。外交部は、12日にロシアの最終決定が発表されるまでは安心できないと慎重な態度を崩していない。しかし大統領府はロシア選手が平昌五輪にできるだけ多く出場するよう外交努力を尽くす方針だ。大統領府の関係者は、「外交チャンネルを使って、ロシア選手が個人として参加する場合でも、抜かりのない支援を受けられるよう措置を取るという内容を伝える」とし、「一人でも多くの選手が参加するよう努める」と話した。

文化体育観光部は同日、都鍾煥(ト・ジョンファン)長官名義の声明を発表し、「大韓民国政府は、ロシア選手が個人として平昌五輪に参加する場合、国を代表する選手として参加するケースに劣らず、積極的にサポートする」との立場を表明した。



李憲宰 uni@donga.com · 董正民 ditto@donga.com