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文化財復元士のキム・ミンジュン、「ルーヴル美術館は韓紙に夢中です」

文化財復元士のキム・ミンジュン、「ルーヴル美術館は韓紙に夢中です」

Posted November. 25, 2017 08:33,   

Updated November. 25, 2017 09:20

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23日(現地時間)、フランス・パリにあるルーヴル美術館のリシュリュー館で会ったキム・ミンジュン文化財復元士は、ルーヴル研究所長とその翌日に行われるカンファレンスを最終点検しているところだった。

3年前、初めてルーヴル美術館で文化財復元用紙として韓紙を紹介したときの冷たかった反応を思い出していたキム氏は、「オルセーとポンピドゥー美術館の文化財復元の関係者たちも出席する予定だ」とし、「韓紙を全世界の博物館に知らせる絶好のチャンスだ」と期待に膨らんでいた。彼は、世界3大美術館に数えられるルーヴル美術館で復元士として働きながら、韓紙の優秀性を紹介するカンファレンスの準備を担当した30歳のしっかりした韓国青年だ。

ルーヴル美術館は、先週初めて文化財復元用として韓紙を購入した。今年4月、博物館が、全州市(チョンジュシ)が提供した韓紙を使用して、19世紀のバイエルン王国「マクシミリアン2世」の机を復元することに成功したのがきっかけとなった。机の中央引き出しのカギの周りを囲んだ部分が傷むと、韓紙で完璧に復元して、現在展示中である。

ルーヴル美術館が復元用韓紙に興味を持つようになったのは、2014年にキム氏がインターンとしてルーヴル復元室に入ってからだ。14歳の時、祖母に従ってフランスに渡ってきて住み着いたキム氏は、パリ8大学の美術品保存と復元学科を卒業し、博物館に入った。

彼の人生を変えた出来事として、2008年から世界初金属活字の印刷版である直指心体要節を発掘した朴炳善(パク・ピョンソン)博士の下で外奎章閣儀軌の返還作業に参加したことを挙げた。キム氏は、朴博士を3年間手助けしながら韓国紙に目を覚ました。

ルーヴル美術館をはじめ、全世界の文化財復元に使われる用紙は、和紙が掌握している。和紙を使用した復元に慣れている博物館の復元士たちは、キム氏に向かって、「優秀性を立証せよ」と要求した。彼は韓紙と和紙を水で湿らして復元力の差を実験で示し、韓紙は収縮と変形が少なくて長く保存される上、接着力が良いので復元に有利だと説得した。韓紙の永久性に魅了されたルーヴルのアリアン・デ・ラシャペル研究所長が心強い支えとなった。

キム氏は2015年に他人より遅れて軍に入隊した。韓国国籍を放棄して兵役を免れることもできたが、国防部遺体発掘鑑識団に志願入隊した。

彼は、「朴博士は生前にいつも『国が何かをしてくれることを望まず、私が国のために何ができるかを考え、私たちの文化遺産を世界に知らせることをしてほしい』と言われた」と言い、「世界の博物館の復元に使われる和紙をすべて韓紙に変えたい」と抱負を明らかにした。



董正民 ditto@donga.com