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米で仕込んだマッコリと焼酎、ニューヨーカーの味覚を魅了

米で仕込んだマッコリと焼酎、ニューヨーカーの味覚を魅了

Posted October. 31, 2017 09:29,   

Updated October. 31, 2017 09:33

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「キャハ~、いいね~!」

21日(現地時間)、米ニューヨーク州の北部に位置するブアストバロウの「奥地にあるキム氏の農場」。屋外テーブルに座っていた客のユン・ジュンソク氏(ニューヨーク・ブルックリン在住)が仲間たちと一緒にマッコリ一杯を一気に飲み干した。ユン氏は、「ニューヨークで仕込んだためか新鮮だ」と話した。韓国での紅葉狩りと全く同じ風景だった。

農場主のコ・ヒヨン氏は、3年間の挑戦の末、2012年、米国で初めてマッコリの生産許可を獲得した。コ氏は、「米酒類許可基準にマッコリがなく、『ライスワイン』という項目でようやく許可を得た」と話した。氏は農場で採取した蔓人参を入れた「ニューヨーク生マッコリ」を農場の醸造所で5年間仕込んでいる。

●「米国焼酎」「米国マッコリ」のブーム

最近、米国で韓国料理とつまみ文化が人気を集めたことを受け、マッコリと焼酎を直接仕込む酒蔵が増えている。マッコリだけでも、クッスン堂など韓国の酒類会社が輸出する製品のほか、ニューヨーク生マッコリ、キリンステーキハウスマッコリ(シアトル)などがある。焼酎は11日、ニューヨークで開かれた平昌(ピョンチャン)冬季五輪の広報行事に参加した米映画俳優ジョナサン・ベネットが「焼酎ボム(bomb・焼酎爆弾酒)」を叫ぶほど、かなり大衆化している。「米国焼酎」の酒蔵も増えている。

28日、ニューヨーク・ブルックリンのバン・ブラント醸造所。入口からやや甘いお酒の熟する臭いが漂ってきた。暗い醸造所では、サウスカロライナ州出身のブランドン・ヒル氏が、赤銅色の酒造機から透明な酒を取り出していた。80度の焼酎原液だった。匂いだけをかいだだけなのに、酒気が広がり始めた。ヒル氏は、ハワイ大学で分子生物学を専攻し、2011年のウサギ年に韓国で焼酎の仕込み方を学んだ。韓国の伝統的焼酎製造技術に米国の醸造科学を応用して、ブルックリンの醸造所で、昨年「ウサギ焼酎」を披露した。ヒル氏は、「砂糖や化学添加物を入れずに韓国の小麦畑で培養して持ち込んだ麹とブルックリンの酵母、カリフォルニア産オーガニックのもち米で作る」とし、「韓国伝統酎の醍醐味を米国に紹介したかった」と話した。

韓国から輸入された緑色のボトルの一般焼酎は1本あたり3ドル前後だが、23度、40度の二種類のウサギ焼酎は30〜40ドルで売れる。ヒル氏は、「今年は五味子焼酎を開発し、来年は柿の葉茶を使用した焼酎を発売する計画だ」とし、「いつか、生産や保管が難しいマッコリの製造にも挑戦したい」と話した。

●酒の肴の文化に乗って日本酒に挑戦状

ニューヨークにはウサギ焼酎のほか、韓国系弁護士であるキャロルライン・キム氏が作った「あなた焼酎」も高級レストランで人気を集めている。ブルックリンで韓国料理店「インサ(挨拶という意)」を経営しているシェフのシン・ヨンソプ氏は、「天然材料を使った純粋な焼酎は新しい市場なので、米国人たちの反応は良い方だ」とし、「焼酎と韓国料理の品格を高めるのに一役買っている」と語った。

しかし、焼酎とマッコリの現地化はまだ始まったばかりである。ヒル氏が一人で作るウサギ焼酎の生産量は、月に400〜500本に過ぎない。日本酒は高齢化で日本国内での消費が激減しており、醸造所が最盛期の3分の1に減ったため、海外で活路を探している。この10年間、日本酒の海外輸出は2倍に増えた。

ヒル氏は、「バーで一人で酒を飲む米国人にとって、大人数が一緒に酒を飲みながら料理と経験を共有する韓国のつまみ文化は非常に魅力的だ」と語り、「寿司の人気に乗って日本酒が成功したように、韓国酒もつまみ文化に乗って米国市場に根をおろしてほしい」と期待した。



朴湧 parky@donga.com