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「後継のいない絶対権力」習近平主席が招く北東アジア覇権の構図

「後継のいない絶対権力」習近平主席が招く北東アジア覇権の構図

Posted October. 24, 2017 08:03,   

Updated October. 24, 2017 08:14

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中国共産党の第19回全国党大会が24日、閉幕する。25日の中央委員会全体会議では、習近平主席2期目の新しい指導部が輪郭を表わす。しかし、5年後に習主席を継承する後継者は指名されないというのが大方の見方だ。さらに、新たな党章(党憲)には、「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」が挿入される予定だという。習主席の名前が入れば、「新しい時代の総設計者」として強力な一人体制を固め、新中国の建設者である毛沢東、改革・開放時代を開いた鄧小平と同じ隊列に上ることになる。

習主席の絶対権力強化は、鄧小平が立てた「隔代指定」(現在の指導者は次の指導者を決めることはできず、1代先の世代の指導者を決めることができる)原則を破ることになる。明示的な後継者なく2期目を始めれば、習主席の長期政権の可能性と共に、潜在的後継者の忠誠競争を煽り、集団指導体制の根幹が揺れることになる。習主席の権力強化は、「中国の夢」の青写真と相関している。習主席は2050年までに米国に対抗する「現代化強国」にそびえ立ち、これには世界一流の軍隊の建設も含まれることを明らかにした。

今後、中国は、対外的に一層攻撃的な態度を取るだろう。静かに時を待って力を蓄えるという鄧小平の「韜光養悔」の原則が見られなくなって久しい。習主席は、党大会開幕の活動報告で、「相互尊重と協力・共生に基づいた新型国際関係」構想を明らかにしながらも、「いかなる国も、中国が自国の利益に害を及ぼす苦い実を食べるという無駄な夢を捨てるべきだ」と強調した。日本との領土問題、南シナ海領有権問題などが一層激しくなることを予告したのだ。

大きくなった習主席の権力は、国際関係で「力の政治」を追求するトランプ米大統領がすでに見通していた。トランプ氏はテレビのインタビューで、「習主席には以前の中国指導者が持つことのできなかったものを持つことになるだろう」と述べ、北朝鮮の核問題に対する積極的な役割を注文した。米中両国が世界を共に経営する「G2時代」を率いるという期待だが、両国はむしろ無限競争の時代、葛藤の時代に入り込むことが懸念されている。

一方、安倍晋三首相は22日の衆議院選挙を大勝に導き、2020年を目標に掲げた「戦争のできる国」に近づいた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の核保有国の野心に米中が対決かビッグディールかを秤にかけている状況だ。最高指導者が一様に国粋的愛国主義を煽って覇権競争を強化する「ストロングパワー」に囲まれた韓国が解決していかなければならない道は、さらに狭く険しくならざるを得ない。状況を大乗的に見て、覚悟をもって自強しなければ、慣れない道で迷うことになる。