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揺れる「日本製」

Posted October. 12, 2017 08:34,   

Updated October. 12, 2017 09:25

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3代にわたる政治家家門出身の安倍晋三首相も、一時は会社員だった。彼が唯一に働いていた会社は、日本3位の鉄鋼会社である神戸製鋼所である。米国留学中だった安倍は、神戸製鋼所のニューヨーク支社に就職し、後に本社に勤務した。政治家である父の秘書官になるまで、彼の勤務期間は3年半である。順調だった神戸製鋼所も、中国の追撃により困難に直面しているのは韓国と同じだが、今回、会社設立以来最大の悪材料に見舞われた。

◆神戸製鋼所が、自動車や航空機、鉄道などに使われるアルミと銅製品の一部で、強度や耐久性が基準を満たない製品のデータを改ざんして納入し、衝撃を与えている。品質操作は10年以上に渡って、管理職の黙認の下、数十人の従業員によって行われたが、その物量だけでも年間2万トン、納入された会社も200社以上にのぼる。共犯者らは、基準に満たなくても、「この程度なら安全に問題はない」と判断してデータを改ざんしたというのだから、これが本当に私たちが知っている日本企業なのかと疑われるほどだ。

◆昨年は、三菱自動車が燃費操作の波紋を起こして日産に買収されたが、その日産自動車が、無資格者に完成車のブレーキ安全検査を任せて、先週、100万台を超える自動車がリコールに入った。タカダのエアバッグも、製品不良で業界最大規模のリコールをする過程で破産してしまった。世界的に感心をかもし出した日本製造業の品質神話が崩れるのではないかという指摘が出てきてもおかしくない。

◆どうしてこうなったのだろうか。そのひとつはグローバル競争激化により悪化する経営環境が最大の要因として挙げられる。後発国の追撃で品質格差は縮まっているのに、職人気質を持つ熟練工は消えている。過去の切腹という風習からもわかるように、業績について過度に責任を負う文化も影響を及ぼしたのだろう。しかし、日本はいつも失敗から学び、より強くなったという点を忘れてはならない。2009年のリコールにより、すぐにでも倒産しそうだったトヨタは、完全に復活した。「日本製」の神話は揺れているが、我々はその現象より、失敗の原因を見つけて、問題を解決する日本の恐ろしい回復力を直視しなければならない。