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北朝鮮、開城工団内の一部施設で操業を再開

北朝鮮、開城工団内の一部施設で操業を再開

Posted October. 08, 2017 11:10,   

Updated October. 08, 2017 11:11

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北朝鮮が突然、開城(ケソン)工業団地のうち一部の施設を操業していることを明らかにし、その背景が注目される。統一部は、開城工団内の韓国の施設の使用について、「財産権侵害を中断しなければならない」と抗議したが、適切な制裁手段がない状況だ。

北朝鮮は6日、北朝鮮政府機関のウェブサイト「わが民族同士」を通じて、「われわれの労働者が(開城工団で)今いかに堂々と働いているか、はっきりとわかるはずだ」とし、「わが共和国の主権が行使される工業地区でわれわれが何をしようとも、誰も関与すべきことではない」と主張した。今回の論評は、北朝鮮当局が開城工団内の19の衣類工場を密かに操業し、内需用の衣類などを生産しているという自由アジア放送(RFA)の最近の報道に対する反応と見える。

北朝鮮の別のウェブサイト「メアリ」も、「開城工業地区に対するすべての主権はわが共和国にある」と主張し、工団を操業していることを示唆した。北朝鮮が昨年2月、開城工団の操業が中断した後、操業再開を明らかにしたのは初めて。

これに対して統一部は、「北朝鮮は開城工団内の韓国の財産権を侵害しないようにしなければならない。開城工団に関する従来の立場に変化はない」とし、即時中止を求めた。統一部は、8月に「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)が開城工団内の韓国側入居企業の車両を北朝鮮が無断で使用していると報じたことに対しても、同様の立場を表明した。統一部によると、開城工団内の企業と政府の資産は約9249億ウォンにのぼる。

ただ統一部は、今後の具体的な対応については、「ひとまず関連事項を綿密に見ることが優先」とし、慎重な立場を伝えた。統一部関係者は、「ひとまず外信が報道したことは合っているようだ」としつつも、「具体的な部分まで言及することは慎重だ」と述べた。

これに対して、統一部が開城工団をテコに南北対話の基調を作ろうとした構想が北朝鮮の無断操業再開で難しくなったという指摘が出ている。趙明均(チョ・ミョンギュン)統一部長官は、「北朝鮮の制裁局面に変化があるなら、開城工団の再開が優先的課題だ」という立場を何度も明らかにしてきた。統一部が先月20日、政策革新委員会を稼働して、朴槿恵(パク・クンへ)政権の開城工団中断の決定を調査したことも、開城工団の操業再開を念頭に置いた「ウォーミングアップ」ではないかという見方が出ている。

これと関連して、北朝鮮事情に詳しいある消息筋は7日、「北朝鮮は2、3ヵ月前から開城工団内の一部施設の操業を本格的に再開したようだ」とし、「北朝鮮が核・ミサイル挑発に集中し、これに対して国際社会が超強硬制裁で対応した時だ」と伝えた。制裁で窮地に追い込まれた北朝鮮が、「自力更正」のために開城工団操業再開のカードを取り出したということだ。

一部では、韓国内の対立の助長を狙った北朝鮮の戦略という見方もある。統一部の元当局者は、「北朝鮮は開城工団が韓国の政界や世論を二分する敏感な問題かどうかよく知っている」とし、「韓国政府がどのように反応するかを見て、北朝鮮が開城工団の再開時に進める交渉戦略を立てる可能性もある」と指摘した。