Go to contents

トランプ氏の戦略的圧力「対北交渉は時間の浪費」

トランプ氏の戦略的圧力「対北交渉は時間の浪費」

Posted October. 03, 2017 09:00,   

Updated October. 03, 2017 09:11

한국어

 

トランプ米大統領が1日(現地時間)、ツイッターに「立派な国務長官であるティラーソン氏に、『リトル・ロケットマン』と交渉を図るために時間を浪費していると言った」と投稿した。ティラーソン国務長官が前日、中国の習近平国家主席との会談直後、北朝鮮との二、三の対話ルートがあるとし、米朝の交渉の可能性を初めて示唆したことを非難したのだ。トランプ氏が、「われわれはすべきことをする」と強調し、依然として軍事的選択肢を排除しないというツイッター発言に、同盟国はもとより中国、ロシアも混乱している。

大統領府国家安保室は最近、北朝鮮の追加挑発が北朝鮮労働党創建日の10月10日か中国共産党大会開幕日の10月18日の前後に予想されるという報告書を出した。ティラーソン氏が、「北朝鮮がミサイルの発射をやめれば状況がずいぶんと落ち着くだろう」と対話の具体的な条件に言及したが、その前に米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は、北朝鮮の南浦(ナムポ)造船所の付近で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験用と推定されるバージ船の工事を公開するなど、北朝鮮の核・ミサイル挑発の可能性は今なお残っている状況だ。今は最大限の圧力で北朝鮮をしめつけなければならない時であり、性急な米朝対話は北朝鮮の核の公認になる可能性があることを東亜(トンア)日報も指摘したことがある。11月に訪中を控えたトランプ氏としては、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の誤った判断だけでなく、米国内の対北戦略の混沌を防ぐ必要があったのだろう。

トランプ政権の対北政策の基調は「最大の圧力と関与」だ。今回のことをめぐって、トランプ氏は圧力を、ティラーソン氏は関与に比重を置いており、両者の話が全く異なる基調と見ることはできないという分析もある。北朝鮮の非核化という最終目標に向けたトランプ政権の高度な対中圧力戦略でもある。中国政府の当局者が、「トランプ政権の不確実性がわれわれにとって最大の難題」と打ち明けるほどだ。

国務省のナウアート報道官は、論議が大きくなると、「現在の外交チャンネルは、金正恩氏のために開かれているが、永遠に開いてはいないだろう」と述べた。米国が対話を請う姿に映ることを警戒した発言だ。トランプ氏は、『クリントンが失敗し、ブッシュが失敗し、オバマが失敗した』とし、自分は失敗しないことを誓った。明らかなことは、北朝鮮が軍事的脅威を感じるほど最大限の圧力をかけた後、非核化を目指す対話の場に引き出すことが米国の狙いということだ。米大統領と国務長官が異なる発言をするからといって、韓国も大統領と参謀が異なるメッセージを出してはならない。北朝鮮の核問題だけは、堅固な韓米同盟を基に対北圧力の先頭に立つ態度を一貫して見せなければならない。