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幸せの第一条件

Posted September. 21, 2017 09:20,   

Updated September. 21, 2017 09:24

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ナポレオン、リンカーン、カフカ、ゴッホ、マイケル・ジャクソンの共通点は?それは慢性的不眠症に苦しんだ人だった点である。ベッドに鎮静効果があると言われたカンファ液を撒いて眠ったゴッホは、その毒性のせいで精神疾患を患い、自殺で生涯を閉じた。深刻な不眠に苦しんだポップスの皇帝マイケル・ジャクソンの2009年突然死も、不眠症治療を担当した医師の薬物過剰投与のためだった。

◆不眠の苦しみは経験した人だけが知るものだ。薬を飲んで寝ようとしても、自然に眠りに落ちる睡眠とは比較にならないという。米著述家「ビル・ヘイズ」は、自伝的エッセイ「不眠症との同衾」で「錠剤のおかげで眠りに落ちたことも多い。しかし私の体は絶対騙されない」と書いた。米ハフィントンポストの創設者「アリアナ・ハフィントン」は、時間不足のせいにする現代人が甘く睡眠を減らしたため、睡眠の危機に陥ったと主張して、「睡眠革命」を提唱した。

◆所得より十分な睡眠が幸福感を決定する最も重要な要素だという研究結果が出た。少なくとも英国の人々はそのように信じている。流通会社「セインズベリー」がオックスフォード・エコノミクスと国立社会調査研究所に依頼して作った「幸福指数(living well index)」の分析結果だ。8250人を対象に、英国人の日常で幸せを左右する重要要素は何かを調べてみると、性生活、職業の安定性、家族の健康、可処分所得など、さまざまな項目の中で、睡眠が幸せとの相関関係が最も大きいことが分かった。所得が50%上がることで、幸福指数はせいぜい0.5ポイント上がる程度だが、質の良い睡眠は3.8ポイントも幸福指数を引き上げた。

◆寸陰を惜しんで勉強や仕事に邁進する韓国人を対象に調査すると、どのような結果が出るだろうか。今年、新作「睡眠」を発表したベルナール・ベルベールは、「睡眠は掘り出して使うことのできる貴重な宝物がいっぱい入った平行世界だ」と表現した。かつてとある命理学者からこのような言葉も言われたことがある。50代によく寝て、よく食べて、顔色が明るければ成功したと。これは50代に限ったことではないだろう。幸せな睡眠を祝福と考えるなら、人生はより一層豊かになるだろう。今、私たちは間違ったところで幸せと成功の答えを探しているのではないだろうか…。

高美錫(コ・ミソク)論説委員