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北朝鮮、THAAD迎撃回避しようと低高度攻撃を強化

北朝鮮、THAAD迎撃回避しようと低高度攻撃を強化

Posted August. 28, 2017 09:25,   

Updated August. 28, 2017 09:27

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北朝鮮が、慶尚北道星州(キョンサンプクト・ソンジュ)に配備された高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の迎撃を避けるために、弾道ミサイルと放射砲(多連装ロケット)の低高度攻撃能力の強化に力を入れていることが分かった。

27日、軍消息筋によると、北朝鮮は有事の際、星州のTHAAD砲台と追加展開されるTHAAD砲台の防御網を突破して、韓国の主要な港湾や空港などを核・ミサイルで同時攻撃するシナリオを点検している。別の消息筋は、「北朝鮮が発射体の飛行高度をTHAADの最低迎撃高度(40キロ)以下に低くして韓国全域の標的を破壊する技術と戦術の開発に力を入れている」と指摘した。北朝鮮が26日、江原道旗対嶺(カンウォンド・キッテリョン)付近から東海(トンヘ、日本海)に向けて発射した短距離発射体も、高度40~50キロの飛行軌道を描いた。軍当局者は、「金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、開戦初期、韓国の迎撃網の無力化を図るだろう」とし、「今回の短距離発射体の発射は、THAADを狙った挑発と見るべきだ」と指摘した。

金委員長は、短距離発射体による挑発前日の「先軍節」(25日)に、大延坪島(テヨンピョンド)と白翎島(ペクリョンド)の攻撃訓練を視察し、韓国への脅威を高めた。北朝鮮が北西島嶼の占領計画が公開したのは、2010年の延坪島砲撃事件以来。

この訓練では、北朝鮮軍の飛行隊や砲台、特殊部隊などが参加してターゲット攻撃競技が開かれたと、朝鮮中央通信が26日付で報じた。訓練は、飛行編隊の爆撃や放射砲、自行曲射砲の砲撃後、低空飛行する軽輸送機、ゴムボートなどを利用して、戦闘員がターゲットの島に奇襲上陸する方法で行われた。金委員長は、訓練を視察した後、「銃で敵を無慈悲に掃討し、ソウルを一気に掌握し、韓国を平定することを考えなければならない」と述べた。

大統領府は26日、北朝鮮の短距離発射体の挑発直後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の指示で国家安全保障会議(NSC)常任委員会を招集した。ただ、対話を強調してきた大統領府が今回の挑発を「通常の訓練の過程」と規定し、意味を縮小させたのではないかという指摘も出ている。大統領府関係者は、「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン(UFG)軍事演習に対応した通常的な訓練の次元の問題と見る」とし、「戦略的挑発と関係ないことは明らかだ」と強調した。

発射体の実体をめぐって韓米間の情報共有が不十分だという指摘も出ている。尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官は、「北朝鮮の発射体は現在のところ300ミリ放射砲と推定される」と明らかにした。一方、米太平洋司令部は、北朝鮮が発射した3発の発射体のうち正常飛行した2発は短距離弾道ミサイルと明らかにした。



ユン・サンホ軍事専門記者 ムン・ビョンギ記者 weappon@donga.comysh1005@donga.com