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米、アフガンに追加派兵、中国が反発

Posted August. 24, 2017 10:05,   

Updated August. 24, 2017 10:16

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「タリバンのアフガニスタン掌握を阻止する。米国が急に撤収すれば空白状態ができ、『イスラム国』(IS)やアルカイダなどのテロリストがその場所に入って来る可能性がある」(トランプ米大統領、21日発表)

「アフガンに対する米国の戦略的利益のためであり、アフガンを中国とロシアに対抗する橋頭堡にしようとしている」(中国環球時報23日付記事)

トランプ米大統領が、タリバンのアフガン掌握を阻止するために地上軍を追加派兵することを明らかにすると、中国共産党機関紙「人民日報」系の「環球時報」が中国への牽制用だと非難した。人民日報の海外版ソーシャル・メディアの「侠客島」も同日、「アフガンはシルクロードの中心にある戦略的要衝国家」とし、「中国、ロシア、インドはアフガンで重要な役割をしてきたが、米国は『域外国家』だ」と不満を示した。そして、「米国がアフガンに追加派兵するのは『帝国の墓』に再び陥ることであり、アフガン周辺国の戦略的利害を疎かにすることだ」と批判した。

2001年9月の「9・11テロ」以来16年間、米国がアフガンに派兵してタリバンと戦争をする間、米国と中露はアフガンで対立しなかった。中国がタリバン代表団を北京に招待して内戦終結について議論したりもしたが、「反テロ」の大義名分では米国と中露で意見の相違はなかった。

しかし、トランプ大統領がオバマ前政権のアフガン軍撤収計画を覆して突然追加派兵を決めたことを受け、中露が米国の意図を疑っている。特に、トランプ大統領がパキスタンを名指ししてタリバンに裏で基地を提供してきたと迫り、中国は友好国であるパキスタンの肩を持った。「米国・インドvs中国・パキスタン」の相互牽制戦線も強化される兆しだ。中国外交部の華春瑩報道官は22日、記者会見で、「パキスタンがテロリストに隠れ家を提供した」という米国の主張と関連して質問を受け、「パキスタンは長年、テロ撲滅のために積極的な努力と大きな犠牲に耐えてきた」とパキスタンを支持した。これに対して、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、「米国が今後、タリバン対応のためにパキスタンに圧力をかければ、パキスタンは一層中国と密着するだろう」と分析した。

「反テロ」の大義名分で始まった米軍のアフガン派兵と追加派兵を中国とロシアが地域覇権争いと見出したのは、高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の韓国配備をめぐる対立と似ている。北朝鮮の核を阻止することを大義名分とするTHAAD配備に対して、中国は「米中間の戦略的均衡を破る」と反対しており、ロシアもこれを支持している。

米国、西欧、日本が一つになって中露に対抗するいわゆる「新冷戦ベルト」は、東欧のウクライナから韓半島まで広く繰り広げられている。中国が2014年から周辺国と領有権を争う南シナ海に人工島を建設して軍事施設の設置を拡大すると、米国は「航行の自由作戦」で対抗したが、ロシアは中国の肩を持った。ロシアが2014年にウクライナのクリミア共和国を編入したことを受けて米国と西欧が経済制裁を行うと、中国はロシアを支持し、相互に助け合っている。

2011年から続いているシリア内戦で、米国とロシアがそれぞれ反政府軍と政府軍を支持して対立すると、中国はしばらく「内政不干渉」の態度を取っていたが、次第にロシア側に傾いている。これもロシアとのグローバル協力の基調を維持するためと見られる。

第2次世界大戦後、米ソ間の冷戦ベルトは理念と体制によって現れたが、新たな冷戦ベルトは特定の基準なく国益のために現れている点が異なる。

1月、トランプ大統領が就任した初期の頃は、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領の個人的親交で米露が手を握り、中国をけん制する「聯俄制中」現象が現れる可能性が見られた。しかし、トランプ大統領の就任100日余りで、新冷戦ベルトが拡大する局面となった。



具滋龍 bonhong@donga.com