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[オピニオン]中国の人種主義

Posted August. 19, 2017 09:05,   

Updated August. 19, 2017 09:08

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中国とインドは、1962年10~12月に領土問題で戦争を行う。3年前、ダライ・ラマがインド北部のダラムサラにチベット亡命政府を立てることを許可したことに気持ちが穏やかでなかった中国。この機に長年の国境紛争を終えてしまうつもりで、同年10月にインドを電撃侵攻したのである。緻密に戦争を準備した中国は、破竹の勢いの勝利を収めたが、一方的に停戦を宣言している。インド要求に応じて、米国、ソ連などの国際力学関係に尋常でない変化が予想されたためだ。

◆アジアの2つの巨人が25年ぶりに、再び一触即発の危機を迎えている。中国やインド、ブータンの3カ国の国境が交わるドクラム(中国名ドンラン)地域に2ヶ月前、中国が道路を建設したことで始まった神経戦が口実になった。厳密にいえば、ブータンと中国との紛争地域であるが、ブータンの同盟であるインドが加わったことで、中国・インドの対立に飛び火した。国境での摩擦は現在、外交戦、通商戦争へと突き進んでいる。

◆これだけでも解決の糸口を見つけることが難しい状況なのに、中国が新しい火種を作った。インドを猛非難するために、中国国営新華通信で制作した宣伝映像が、露骨に人種差別的視点を盛り込んでいるからだ。ユーチューブ、フェイスブック、ツイッターに投稿された新華社通信の英語プログラム「ザ・スパーク」を見ると、中国人俳優がターバン姿のシーク教徒の扮装をして登場する。インドでシーク教徒は、人口の割合は小さくても、社会経済的影響力は極めて大きい。「インドの7つの罪」という見出しの下に、インドを嘲笑した映像のために、インドはもとより、全世界のシーク教徒が怒りに沸き立っている。

◆インドを露骨に泥棒のように描写した問題の映像は、海外に自国の立場を宣伝するために制作されたが逆風を招いた。文明国ではありえない人種偏見を濾過せずに露出された映像を作ったところが、まさに政府の声を代弁する官営メディアであるからだ。韓国人たちは高高度防衛ミサイルシステム(THAAD)の報復をきっかけに、中国が自国の利益のためにはなりふり構わず、どんな極端な行動も辞さないことをよく知っているが、国際社会は、新たに驚愕を禁じえない。図体にふさわしくない中国、今度は一線を外しすぎてしまった。

高美錫(コ・ミソク)論説委員



コ・ミソク論説委員 mskoh119@donga.com