ゲノム編集技術に対する理解が深ければ深いほど、遺伝子治療を肯定的に考えているという研究結果が公表された。
米ウィスコンシン大学マディソン校のディートラム・ショイフレ教授は、成人1600人を対象に遺伝子治療に対する認識を調査し、科学学術誌「サイエンス」10日付に発表した。
ゲノム編集技術は、遺伝子を修正して病気を治療したり身体能力を向上させる技術をいう。編集対象になる細胞の種類によって体細胞とヒト胚のゲノム編集技術に分けることができる。編集目的によっては病気の治療と身体機能の向上に主に分けられる。
今回の調査参加者の65%に近い人が、ゲノム編集技術を治療目的に利用するなら体細胞とヒト胚治療を支持すると答えた。
ゲノム編集技術に対する知識との相関関係も調査した。ゲノム編集技術の知識を尋ねる9つの質問のうち6つ以上を正解したグループは、76%が遺伝子治療を支持すると答えた。一方、質問すべてを間違ったグループは、32%だけが治療を支持すると答えた。宗教的信念が強い場合、そうでない場合よりも遺伝子治療に対する支持が低いことが分かった。
ショイフレ教授は、「宗教的信念が強いか、ゲノム編集技術に対する知識が十分ない場合、科学技術が持つ能力を疑う傾向が現れた」とし、「実際、科学技術が持つ能力レベルと一般大衆が考える能力レベルは違うこともある」と指摘した。
昨年、米ハーバード大と世論調査機関ピューリサーチセンターも、遺伝子治療に対する認識調査を行った。しかし、政策と倫理的問題を指摘しただけで、大衆の認識を詳しく調査しなかった。
オ・ガヒ東亜サイエンス記者 solea@donga.com