Go to contents

「夢の劇場」スカラ座を盛り上げた絶唱の歌と演技、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」

「夢の劇場」スカラ座を盛り上げた絶唱の歌と演技、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」

Posted June. 09, 2017 08:56,   

Updated June. 09, 2017 08:57

한국어
ファッションの都市、ドゥオーモ大聖堂、レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐…。

イタリア北部のミラノを思い出すと、思い浮かぶ言葉である。クラシック、オペラのファンたちは、他の単語が思い浮かぶかもしれない。まさに世界最高のオペラ劇場の一つであるスカラ座のことである。

ミラノの中心部に位置しているこの劇場は、1779年に建てられた。ヴェルディの「オーバート」、プッチーニの「蝶々夫人」と「トゥーランドット」、ウンベルト・ジョルダーノの「アンドレア・シェニエ」など、数々のオペラが初演された。オペラが好きな人なら誰もが行きたがる夢の劇場である。

実はスカラ座の外観は、オーストリアのウィーン国立オペラ劇場、フランスのパリオペラ座に比べると地味で平凡といえる。ここがオペラ劇場であることを知らない人なら、見過ごしやすい。1階の客席を除けば、ほとんどが丸いホースシュー型の6階建て規模のボックス席が、3600席の大半を占めている。

内部を見るために毎日劇場の中を見学できるツアーも用意されている。劇場の3階から舞台を見下ろすことがすべてであることを考えると、9ユーロ(約1万1000ウォン)は高い方だが、立ち並んで入るほど人気が高い。

スカラ座のアレクサンデル・ペレイラ芸術監督は、「スカラ座は指揮者と声楽家はもちろん、演出家にも夢の舞台だ。800人余りのスタッフが働いており、年間、オペラやバレエなど300回程度の公演を行っている」と語った。

6日(現地時間)、スカラ座では一ヵ月前から舞台に上がったオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の最後の公演が行われた。演出家「ロバート・カーソン」の作品で、2011年にスカラ座に上がった後、6年ぶりの公演だった。同日の公演は50%割引だったので、1ヵ月前からすでに予約でいっぱいだった。

公演の時間が近づくにつれ、劇場の外ではスーツやドレスで精一杯着飾った地元の住民や観光客でにぎわった。ミラノに住むマニー・カランドロー氏は、「ミラノの人たちにスカラ座の公演は日常のことだ。特別な日に来るのではなく、頻繁に訪れる」と話した。

今回の公演では、NHK交響楽団の首席指揮者「パーヴォ・ヤルヴィ」(エストニア)が客員指揮者としてスカラ座にデビューした。また、昨年初めて国内で公演を行った世界的バリトン「トーマス・ハンプソン」(米国)のスカラ座でのオペラデビューでもあった。

劇中で俳優として登場する浮気者「ドン・ジョヴァンニ」が登場して、12メートルの高さのステージカーテンを下に引っ張って落とすスタートのシーンは、視覚的快感をプレゼントした。舞台を埋め尽くしたはためく鏡とスカラ座のカーテン、前の部分を複数の比率でプリントしたセットを使用して、舞台と客席のスペースを崩した。特に俳優たちが客席に行って、歌ったり演技をし、バルコニーでも俳優が登場して、観客も舞台上の俳優となった。

多国籍声楽家たちで構成された組み合わせは、なかなか優れた視覚的・聴覚的楽しさをプレゼントしたし、特に浮気者役にぴったりのハンプソンの説得力ある演技と歌が、長く余韻を残した。

★★★★(★5つ星満点)



金東昱 creating@donga.com