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ロジャー・ウォーターズがトランプ大統領を激しく批判

ロジャー・ウォーターズがトランプ大統領を激しく批判

Posted June. 07, 2017 08:59,   

Updated June. 07, 2017 08:59

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左と右のスピーカーの間に、ミュージシャンたちは自分が見る世界を掃き集める。

グループ「ピンク・フロイド」出身のロジャー・ウォーターズ(74)は、スピーカーを広く使う音楽家だ。フロイドの「The Wall」から近作まで、彼の作品では、さまざまな人物や物事がスピーカーの間を動きながら慌ただしく自分の音を出す。

生活騒音を音楽と絶妙に混ぜるということでは、坂本龍一とも似ている。坂本ほど世間のことを多く心配する音楽家が、まさにウォーターズだ。クレイジーロッカーの発狂と戦闘機の爆撃、赤ちゃんの鳴き声をコラージュしたあの有名な「In the Flesh?」(1979年、アルバム「The Wall」に収録)を見てほしい。

ウォーターズがなんと12年ぶりに新しいアルバムをリリースした。直前の作品がオペラ(2005年「¤aIra」)だったことを考慮すれば、ポップ・ロックサウンドの新作としては、実に25年ぶりのことである。

四半世紀なら、世の中が様変わりした時間ともいえる。ところがウォーターズも、世界も大きく変わってはいないようだ。前作「Amused to Death」(1992年)がテレビと大衆文化の偽善を皮肉ったなら、新作「Is This the Life We Really Want?」は、ドナルド・トランプと反移民政策を激しく批判している。新作の歌詞にはこれまで以上により多く「f***」という悪口が登場する。トランプの実名を挙げながら、間抜けと呼んだりもする。10月まで続く北米ツアーでウォーターズは、客席の空中にトランプが描かれたブタの形の風船を浮かべるつもりだ。

新作のプロデューサーとミキシング・エンジニアはナイジェル・ゴッドリッチだ。彼はラジオヘッドの「OK Computer」のように、音響という接着剤を用いて、世界と音楽を張り付ける腕をもう一度見せてくれる。

ゴッドリッチとは別に、ウォーターズは最近、ラジオヘッドと大喧嘩をした。ラジオヘッドの来月のイスラエルでのコンサートに反対する嘆願書に、ケン・ローチ監督、デズモンド・ツツ大司教と一緒に署名したのだ。数日前、ラジオヘッドのリーダー「トム・ヨーク」は、ローリングストーン誌とのインタビューで、ウォーターズなどを非難した。ウォーターズも同様に5日、公開書簡を通してヨークが自分の対話努力を無視したと対抗した。彼はこの日が、イスラエルがパレスチナを占領してから50年になる日だと付け加えた。

「アイフォーンを殴りつけてリストラされた恋人たちの番号を消して」(「The Last Refugee」)、「引き金に手を乗せた子供の写真や、アフガニスタンの義足写真を撮り続ける」(「Picture That」)今の世界は、25年間前進したのか、それとも漂流したのだろうか。



임희윤기자 イム・ヒユン記者 imi@donga.com