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中国を理解する鍵、18の少数民族の歴史

中国を理解する鍵、18の少数民族の歴史

Posted May. 13, 2017 10:02,   

Updated May. 13, 2017 10:03

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中国は漢族の国だ。中国の歴史も、人口の91.5%を占める漢族と中原を支配した一部の王朝を中心に記録してきたのが現実だ。しかし、漢族を除く55の少数民族が常に中国の歴史の中に存在してきた。これらのルーツがどこにあり誰なのか正しく知ってこそ、中国を理解できるというのが、同書のメッセージだ。

著者は、中国の国土資源作家協会の副主席として活動する作家だ。講壇の学者でない文人出身らしく、多様な詩と故事成語を活用する。対象は、匈奴、契丹、突厥など中国国境内で存在した18の過去の少数民族の歴史だ。膨大な分量と中国少数民族に多少馴染みのない国内の読者のために約150ページにのぼる注釈が理解を助ける。

最も注目される少数民族は匈奴だ。秦の秦始皇(紀元前259年~紀元前210年)は、匈奴の侵入を阻止するために万里の長城の建設を命じた。漢も強力な軍隊を持つ匈奴の脅威に苦しんだ。匈奴を継承したフン族が4世紀に欧州に移住した民族大移動の歴史まで、500年間の歴史を1編の文学のように扱う。

このほかにも、オアシス都市国家を建設した楼蘭、唐時代の中央アジア、ウイグル地域の覇権者として君臨した回鶻、韓国にも馴染みのある契丹や靺鞨などを紹介する。

同書は、中国共産党員の教育研修コースの教材として使われるほど中国内で広く知られている教養図書だ。著者の中華主義的な視線と東北工程の観点がうかがえるのも事実だ。中国の少数民族に対する観点が何か知ることができる機会になる。



柳原模 onemore@donga.com