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食べて感じて経験した英国人の日本探訪記

食べて感じて経験した英国人の日本探訪記

Posted May. 13, 2017 10:01,   

Updated May. 13, 2017 10:02

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英国のジャーナリストである著者が日本での料理体験を本にした。西洋人のありふれた東洋料理の感想に終わると思われたが、歩き回って見聞きしたことの記録の几帳面さには舌を巻く。

脂肪がなければまずい料理と考えていた著者だ。その彼が、家族と共に3ヵ月間の日本旅行に出発する。『JAPANESE COOKING -A SIMPLE ART』という本を読んで興味がわいたからだ。旅行の初日に東京の横丁で食べた串焼きを皮切りに、北海道、神戸、大阪、京都などをまわって味わった料理の感想が続く。たこ焼きのような屋台料理から神戸の肉料理まで高級料理を網羅する。著者の独特のユーモアもあって、読んでいると所々で笑いが込み上げる。

写真が1枚もなくても内容が豊富なのは、著者の取材力によるところが大きい。著者は、料理一つ一つにスポットライトをあてて感想を書くのではなく、体当たりの経験談に料理を添える。そのため話は単なる味の探訪ではなく社会探訪になる。たとえば、著者は相撲部屋を訪ねて力士と一緒にちゃんこを食べ、力士の健康問題や外国人力士が多いことを知る。日本の料理バラエティ番組「SMAP×SMAP」の撮影現場に行って、その日作られる料理を調査し、男たちがエプロンをつけることになった日本社会の変化も紹介する。幼い2人の息子と妻が旅行に同行したことで起きたエピソードは、さらに話を愉快にさせる。

日本で翻訳出版され15万部以上売れ、NHK総合チャンネルでアニメ化されて放映された。日中韓の料理文化を比較する企画も準備しているというので次作も期待される。



金志映 kimjy@donga.com