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生体時計を止めたり調節できる道が開かれた

生体時計を止めたり調節できる道が開かれた

Posted March. 17, 2017 08:42,   

Updated March. 17, 2017 08:42

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地球のすべての生命体は、1日24時間に適応して生きてきた。生命体の周期的生体活動を調節する組織を「生体時計」という。人間の場合、生体時計は、睡眠パターンや体温調節、血圧変化と関連している。最近、国際研究チームが、バクテリア生体時計の作動原理を解明した。

オランダ・ユトレヒト大学のアルべルト・ヘック教授チームは、ドイツ・マックスプランク生化学研究所のフリードリヒ・フェルスター教授チームと共同で、葉緑素を利用して光合成をする細菌「シアノバクテリア(藍色細菌)」の生体時計の作動原理を解明し、国際学術誌「サイエンス」の17日付に発表した。藍色細菌は、地球で最初に酸素を生産した生命体として知られている。ヘック教授は、「生体時計の作動原理を理解すると、生体の時間を止めたり、調節することもできる」と語った。

藍色細菌の生体時計は極めて単純だ。日本の研究チームは2005年、既に藍色細菌の生体時計が3つのタンパク質「カイ(Kai)A」、「カイB」、「カイC」で構成されており、少量のエネルギーさえあれば、24時間を周期に自発的に作動すると発表した。しかし、藍色細菌の生体時計がどのように作動するかについては、正確に明らかにされなかった。

研究チームはまず、藍色細菌の生体時計を構成する3つのタンパク質の入った溶液を、一週間冷蔵庫に入れて温度を下げた。低温ではタンパク質の反応速度が遅くなるので、観察にいい。この状態で、24時間、3つのタンパク質がどのくらいの頻度で、他のタンパク質と結合して離れるかについて、「質量分析法」と「極低温電子顕微鏡」を使用して観察した。質量分析法を使用すると、タンパク質の結合状態を知ることができ、極低温電子顕微鏡を活用すれば、タンパク質の姿を高倍率で拡大して見ることができる。

その結果、カイCとカイBが結合した状態である「カイCB」と、3つのタンパク質がすべて結合した状態である「カイCBA」が、藍色細菌の生体時計を作動させる重要な構造であることが分かった。例えば、日中はカイCBAがカイCBになり、逆に夜にはカイCBが再びカイCBAになって生体信号が変わる。このような変化は、24時間を周期に繰り返された。

フェルスター教授は、「これは、人体の赤血球細胞で現れるタンパク質の作動過程と似ている」と語り、「人間のように複雑な生命体の生体時計も、藍色細菌の生体時計と同様の原理で作動する可能性がある」と説明した。



송경은 ソン・ギョンウン記者 kyungeun@donga.com