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「安らかなクラシック」の伝導師に転身、1980年代の青春スター康石雨氏

「安らかなクラシック」の伝導師に転身、1980年代の青春スター康石雨氏

Posted March. 17, 2017 08:42,   

Updated March. 17, 2017 08:43

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「私が出演した映画『冬の旅人』のクライマックスに主人公のミンウが自殺するシーンがあります。その時流れる曲がデミス・ルソスの『Follow Me』です。この曲の原曲がクラシックのギター協奏曲で有名なロドリーゴの『アランフェス協奏曲」第2楽章アダージョ』です。この曲を聞くたびに自らこの世を去ったこの映画のクァク・ジギュン監督が思い出されます」

映画俳優でありタレントとして有名な康石雨(カン・ソクウ)さん(60)が最近、『康石雨の青春クラシック』というタイトルの本を出した。2年前からCBSラジオでクラシックと歌謡曲を紹介する「美しいあなたに」(午前9時)を進行する康さんは、この本で番組で話した自分の考えや思い出をクラシック音楽と共に紹介した。

「以前からしたかった形式の放送です。クラシックは難しく、神妙に聴かなければならないという偏見を破って気楽に聴いて楽しむ放送を作りたいです」

この本は見方によって、彼自身の日記帳でありエッセイでもある。中学生の頃、音楽が好きだったが、家が貧しく、陳列された楽器をショーウィンドウ越しに眺めるしかなかったこと、人気モバイルゲーム「ポケモンGO」ブームを見て、父親と子供の世代の差を感じたことなど極めて平凡な内容を綴った。そして自分が考えて、その感じに最も合うクラシックとアルバムを収録した。文の余韻が消える前に携帯電話で音楽を聴けるようにQRコードもつけた。

「クラシックも他の音楽と同じように楽しんで感じるものだと思います。それで、私の感性、考えに合った曲を紹介してスマートフォンですぐに聴けるようにしました。昔を思い出してクラシックを聴きながら眠ることができたなら、どれほど幸せかと思いながら」

「私のクラシックの知識は、海に膝をつけた程度です」と言うが、康さんがこの番組に投じた努力は小さくない。数年前から勉強した日本語で日本のクラシック書籍やサイトを毎日のように読む。スマートフォンやタブレットで時間があればクラシック情報を検索する。勉強は頭だけでは終わらない。ベートーベンの交響曲第6番「田園」をより感じるために耳がよく聞こえなかったベートーベンのように耳をふさいで街を歩いたりもした。

康さんは、映画俳優、タレント、DJなど多様なジャンルを渡り歩くことについて、「舞台で死にたいといって一つの井戸を掘る先輩、後輩もいるが、私は様々な井戸を掘って幸せを感じる人のようです。俳優もし、DJもし、本も書き、変化する人生も幸せです」と話した。

また、「ある面では、演技のために忍耐を強いられる俳優生活よりも今がはるかに良いです」と言って笑った。

2年間休んでいたブラウン管に復帰する康さんは、「東国(トングク)大学演劇映画科の後輩でもある娘(ダウン)がデビューを控えていて、共に競わなければならないかもしれません。父親であり先輩として娘に短期間の人気におごらず、仕事がないからと落胆するなと言います。良いクラシック音楽のようにいつまでも記憶される演技者になればいい」と話した。



李沅柱 takeoff@donga.com