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白頭山の黒曜石、旧石器時代に大邱にまで

白頭山の黒曜石、旧石器時代に大邱にまで

Posted January. 18, 2017 08:31,   

Updated January. 18, 2017 08:31

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大邱月城洞(テグ・ウォルソンドン)の旧石器遺跡で発見された黒曜石の産地が「白頭山(ペクトゥサン)」であることが分かった。約2万年前、後期旧石器時代の白頭山から700キロも離れた大邱まで物が移動したことが初めて明らかになった。旧石器人の移動範囲が現代人の想像よりも広い可能性があることを示す証拠だ。

国立大邱博物館は、最近発刊した学術書「大邱月城洞の遺跡、黒曜石の原産地および使用形跡分析」で、月城洞から出土した黒曜石100点に対する産地分析の結果を紹介した。2006年に発掘された月城洞遺跡から、後期旧石器と青銅器、統一新羅時代の遺具などが出てきた。

 

博物館は、金鍾賛(キム・ジョンチャン)前ソウル大学教授(物理学)に「レーザープラズマ質量分析(LA-ICP-MS)」を依頼した結果、100点中97点が「白頭山系列1型」であると現れたと明らかにした。白頭山で生成された黒曜石のタイプは3種類あり、国内の旧石器遺跡では主に1型と2型が発見されている。国内の旧石器遺跡で黒曜石が発見されたのは約30ヵ所。このうち月城洞遺跡では韓半島南部地域で最も多い黒曜石が出土した。

発見直後に黒曜石の調査が行われたが、国家帰属文化財に対して破壊分析ができず、産地の究明に失敗した。しかし、レーザーを利用して約50μm直径の微細な損傷を加えるだけの先端分析技法が導入され、産地分析が可能になった。

 

これと関連して、月城洞の黒曜石が原石の形態ではなく半加工形態だったと推定され、注目される。原石が持つ特有の自然面はなく、人為的に削られた形跡があるためだ。そのうえ遺跡内の石器製作場4ヵ所で黒曜石の破片も発見された。

 

白頭山黒曜石は京畿道(キョンギド)一帯でも発見されたことがある。このため、黒曜石の原石が白頭山で採取された後、加工を経て韓半島中部地方を通じて大邱まで流れた可能性が提起されている。後期旧石器時代、韓半島の南北をつなぐ交易ネットワークが存在したという推定が可能だ。大邱博物館学芸研究室のチャン・ヨンジュン室長は、「旧石器人が獲物を追って移動したことは明らかだが、どのような経路でどんな物を流通させたのかはまだミステリーだ」とし、「今回、慶尚道(キョンサンド)地域で最初に黒曜石の産地が白頭山と究明されたことは少なからぬ意味がある」と話した。

 

本には、フランス・ペルピニャン大学のキム・ギョンジン教授が、黒曜石の用途を実験した結果も収録された。これによると、月城洞の白頭山黒曜石は主に動物の骨などを刻む「彫刻器」や狩猟用「尖頭器」に使われたと推定される。



金相雲 sukim@donga.com