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有名でない作家の有名な絵画、故柳景埰の抽象絵画展

有名でない作家の有名な絵画、故柳景埰の抽象絵画展

Posted January. 06, 2017 08:27,   

Updated January. 06, 2017 08:31

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多くの人たちが簡単に思い出して口にする「有名作家」は、そうでない作家より優越な成果を上げたのだろうか。2月5日まで、ソウル鐘路区(チョンノグ)にある現代(ヒョンデ)画廊で行われる「柳景埰(リュ・ギョンチェ)の抽象絵画1960〜1995」展は必ずしもそうでないことを示している。

柳画伯(1920〜1995)は、生前、1983年と1990年にわずか2回だけ個展を開いた。現代画廊のキム・ソンウン企画チーム室長は、「1949年に行われた第1回国展で大統領賞を受賞後、個人の作品活動を展示を通じて知らせるより、美術界の運営や後学育成に集中させたゆえんだ」と話した。

作家は20代や30代の時には情緒的リアリズムの絵画を披露したが、40代に入ってからは非構想半抽象絵画の方に方向を変えた。その後、1980年代からは、色面分割や幾何学的抽象絵画にまい進した。今回の展示には、40代以降の作品30点余りが公開される。

「自分の絵を買う人などいないと思っており、売る気持ちなどなおさらない。絵(の取引)のことで顔色を変えることもいやだし、金を受け取るために頭を下げることは死ぬより嫌いだ。むしろ、飯を食えない方がマシだ」

柳画伯が残した文だ。彼に接する画商の気持ちは焦ったのだろうが、数えきれないほど接してきた有名作品とは、なんだか違うような気がする。他人に見せるためでなく、自分の疑問を解決すために動かした筆遣いの痕跡。マメで厚ぼったい。



孫宅均 sohn@donga.com