Go to contents

高坂監督の暖かい手が込められた本格アニメ

高坂監督の暖かい手が込められた本格アニメ

Posted March. 04, 2019 07:31,   

Updated March. 04, 2019 07:31

한국어

映画の中のコンピュータグラフィックス(CG)技術の発展が目覚しい。今は、実写なのかグラフィックなのか判断がつかないほど、見事なグラフィックがスクリーンを飾る。ところが、忘れて過ごした暖か味がたっぷり感じられるアニメーション映画が一本公開された。高坂希太郎監督が演出した「若おかみは小学生!」。

映画は、交通事故で両親を失った12歳の小学生「おっこ」の物語を描く。一人になったおっこは、祖母が運営する旅館「春の屋」で新しい生活を始める。都市に住んでから田舎に行ったおっこは、幼虫とトカゲを見て仰天する。子供の頃、なんか幽霊が出そうだったおばあちゃんの家の雰囲気をそのまま生かした。おっこは、祖母の家で複数のゴーストに直面する。

おっこは、学校生活や旅館の仕事を手伝うなど、いくつかの紆余曲折を経験する。「神から授かったお湯は、人を選ばない」というおばあちゃんの教えに基づいて、すべての人に親切に接しようとする姿が印象的だ。おっこがおばあちゃんの家で会う幽霊は、彼女の助力者となる。映画は、子供の観客に伝統の愛を悟らせる。

映画を演出した高坂監督は「耳をすませば」、「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」、「ハウルの動く城」などスタジオジブリ代表アニメーションの作画を誕生させた。監督の初演出作である「茄子アンダルシアの夏」は、第56回カンヌ国際映画祭監督週間に招待された。この映画の中で最も魅力的なのも映像だ。おっこが悲しい時に大粒の涙をこんこんと落とす姿や、熱いお湯から湯気が出る様子など、鮮やかな表現がCGに引けを取らない。

昨年富川(プチョン)国際アニメーションフェスティバルで、長編部門の優秀賞と観客賞を授賞した。「君の名は。」の新海誠監督から「素晴らしい。何回も泣いた」と好評を受けた。高坂監督は記者懇談会で「思いやり」を通じた「成長」のメッセージを強調した。彼は「温泉は伝統が消える今、先祖の知恵と文化を垣間見られる空間だ」とし、「おっこは、ここで一人で傷を克服するのではなく、人々との関係を通じて癒される」と話した。


金民 kimmin@donga.com